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ハゲタカ [映画感想 は行]

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映画タイトル:ハゲタカ
初公開年月 :2009/06/06
監督:大友啓史
脚本:林宏司
出演:大森南朋 玉山鉄二 柴田恭兵 中尾彬 松田龍平 栗山千明 他


■2009.06.13(土) 本日の一言■

私はあまりTVドラマというものを観ないのだが、それでも2年に一度くらいの割合で、
ハマってしまう!ドラマがあったりする。
それが2007年にNHKで放送されたドラマ『ハゲタカ』だ。

このTVドラマは(映画もそうだけれども)
経済&金融関係&企業買収・・というものが描かれ、
あまりに私には縁遠い世界である。

こういったモノをテーマにしたドラマ、映画というのは経済用語をある程度、
知る必要があったりするし、特に映画で経済を題材にすると、
たいてい物語のテンポが速すぎて、私はシーンの1つを理解せぬうちに、
映画はもう次のシーンに話が進んでしまい、映画の流れや物語から取り残されて、
孤独に映画館の椅子に辛抱強く座り、エンディングを迎えることが多くて、
どちらかというと、敬遠する種のストーリーだ。

しかしね、このNHKの『ハゲタカ』は違った。(^^;)
確かに経済の小難しい言葉は出てくるが、その難しい言葉がどのようなものなのか、
ということが、はっきりとドラマの中で演じられ語られるので、観ていて、
あぁ!この言葉は、こういうことだったのね!納得!(*^▽^*)ノハーイ という楽しさと
それプラス!
この物語にでてくる主人公、企業買収をお仕事にしている鷲津政彦(大森南朋)の苦悩と
足掻きと成長が見れて、まことに私の喜びのツボを刺激してくれたドラマだったのだ。

その『ハゲタカ』が映画になった。
観るか、レンタルで間にあわすかで迷った。けれども、
また誘惑するように予告編がジャンジャン!流れるんだよねぇ。(^^;;)
ドラマの時から、私は大森南朋演じる鷲津政彦の苦悩顔に弱い!!(笑)
それが大画面に出てしまったら、観にいくしかないっしょ。

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というわけでレディースデーを利用して鑑賞してきた。
¥1000なら万が一はずしても!多少は許せる金額だ。

では
以下からあらすじ!そしてネタバレ必須の感想に入る。

※以下からネタバレしますよぉ!※
<映画ONLINE参照>

徹底した合理主義で瀕死の日本企業を次々と買い叩き、“ハゲタカ”の異名をとった
鷲津政彦(大森南朋)も、今では絶望的な日本のマーケットに見切りをつけ、
海外に生活の拠点を移していた。
そんな鷲津のもとにある日、かつての盟友・芝野(柴田恭兵)が訪ねてくる。
彼が現在役員を務める日本の名門自動車メーカー“アカマ自動車”を、
中国系巨大ファンドによる買収危機から救って欲しいと頼みに来たのだった。
その買収の急先鋒となっているファンド、ブルー・ウォール・パートナーズを率いるのは、
残留日本人孤児三世の劉一華(読みはリュウ・イーファ:演じる俳優:玉山鉄二)。
彼は鷲津が勤務していた米ホライズン社の元同僚で、自らを『赤いハゲタカ』と
名乗っている。
こうして、巨額の資金を背景に圧倒してくる劉との因縁めいた買収戦争に挑む鷲津だが…。


今回の企業買収先は、日本貿易の要、自動車産業。
日本人として、もっとも誇れる商品!のひとつでしょう。
(ちなみにドラマでは、買収話の中心は電気産業でした。)

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このアカマという経営的にいきづまっている自動車企業を乗っ取ろう!
あ・・失礼。(^^;;;)
もとい・・公的買収を図ろうとしているファンド会社の顔がこちら、

残留日本人孤児三世の劉一華。リュウ・イーファ。玉山鉄二が演じてました。

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そして戦略的に苦しいときは、鷲津に頼めばいい!と思っているとしか
見えなかった、芝野(鷲津と昔、同じ銀行で先輩だった)を演じた柴田恭平。
彼は今回、アカマ自動車の再建者としてきているようですな。
再建のために熱いことばっかり言っているわりには、
君はいったい、この買収騒動で鷲津を呼ぶこといがいに何をしたのかな?という
感じを受ける。存在感がすっかり薄くなってしまったような。

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まぁ他にもドラマのほうに顔を出していた面々が出演していましたが、
ドラマほどの存在感はなくなってしまったような・・。
あ!でも今の俳優陣の中で中尾彬は相変わらずのタヌキ親父を熱演。
こうして写真にしても彼はひときわ存在感だけはある!!!(笑)

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まぁ・・ね。ドラマ全6話の時間尺に比べて映画の時間尺は短い。
その中でドラマ時代のファンに向けて、
ドラマ時代の出演者の見せ場も作らなきゃいけない!
というのも、わからんでもない。
でもこの脇役たちの絡みやエピソードを映画につめこんだせいで、
鷲津と敵対する肝心要の劉一華の人なりやアカマに対する思いが
語り足りなかったんじゃないか?と私は感じた。

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この劉一華という役には、ひじょうに面白い設定がほどこされている。
業界のおもて向きは残留日本人孤児三世という顔をもっているのだが、
実は彼はホンモノの劉一華ではなく、本来存在する日本人孤児三世の劉一華という男の
過去等々を中国で買った男なのである。ようは偽!日本人孤児三世なのである。
(金で別人の過去やパスポートを買うことを中国では「頭を剃る」と言うらしい。
恐るべし中国。やはり闇が深い。(@@))

これは、いままで出てきたことのない設定じゃあ!あーりませんか。(^◇^*)
劉一華という人間になるために大金を支払い、世間を欺き
日本からアメリカにわたり、ファンド会社の顔にまで登りつめてきた男の思いは、
その辺にいる一般人なんぞおよびもつかぬほど深そうじゃない?
またそうした男が、憧れて続けていた鷲津と同等の肩を並べて戦えるという気持ちが、
どーいったものなのか?もっと長く熱く!?(笑)語ろうと思えばいくらでも
語れようものなのに、それがないものだから、劉一華の印象がひどく軽いものになるのだ。

まぁね・・劉一華が下のアカマに派遣されている青年を利用して
組合騒動を引き起こさせた挙句、

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彼が自分の先導にのって組合騒動を起こしてくれた礼として、
礼金(400万!(@@))を渡してポイッ!としようとするシーンは、
劉一華の生き様や執念のようなものが感じられたし、
若さゆえに、人を疑いもせず「(劉一華)を友達だと思ったのに!」と
札束を投げ、号泣した派遣社員のよくいえば純真さ
(悪く言えばおバカな感じ)がよくでていて、なかなか秀逸だったけれども、
それでもまだもっと、劉一華を語る余地はあったんじゃないかなと、私は思う。

ドラマでは敵対する鷲津と芝野のリンクどころやそれぞれの想いが、語られていた。

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ゆえに
その、どちらにも感情移入することがたやすかったのだが・・

鷲津については、もうドラマのほうで彼の過去は、
語られるだけ語ってしまっているので、
(ドラマをみていて、なおかつ、この映画を観ている人間・・と限定するが、)
もう丸裸にされているので、今更、また何かを語るのも妙だし・・・
ゆえに劉一華の対比ができず物語に閉塞感を覚えるのだ。
ようは映画とドラマの板ばさみになって、
思うように魅力ある劉一華と鷲津の対比ができなくなっているのではなかろうか。

だから映画の終盤はもう鷲津と劉一華の買収戦略が、
いかに相手をだしぬき、一枚も二枚もうわて?がどうか!だけにしか
楽しみが見出せないのだ。

確かに鷲津がかけた二重、三重ものの戦略から
アカマ自動車が救われるのは、ワクワクした。
爽快感、達成感!さすがは鷲津さーん♪という
一時的な嬉々とした思いは味わえるが、
もう一味、ふた味、欲しいんだよねぇ。(^^;)←贅沢もんと言われてもいい!

それに企業買収に敗れた劉一華のおしまいの扱いも、
まぁネタバレ必須だから書くけれども、
殺しさえすれば、なんでも劇的にケリが着く!
なんてもんじゃあないだろぉ?

どしゃぶりの雨の中で劉一華が1人、
人ごみ少ない街中を歩いているのをみたときに

「ヤツは殺されるな」(--;;)

と、予測できるのだ。
私が予測できるようなシーンなんか
みんな予測できるんじゃないの?
先のみえるモノなんぞ感動などできないよねぇ。

映画では、その死と共に生前の劉一華が長らく抱えていた
アカマ自動車に対する想いが語られるわけだが、
今更!死んでしまった男について
何をどうこう語るんじゃい・・

生きてこその華!生きてこその毒!を表現できる
せっかくの役どころを殺しちゃうなんて、もったいない!
あぁあああああ!ツマランよぉおお!(TT)

うーん・・気を沈めなければ。(笑)
とにかく、
はじめにまずはドラマありき!の映画ということなんだろう。
登場人物の人間関係なんかも、この映画を初めて観た人なんか
何が何やら???なんじゃあないかなぁ。

たとえば松田龍平が演じている旅館のオーナーが
なぜにファンド会社の鷲津と親しげに話していて、
力をかしたのか?なんて、ドラマをみていなかったら
まったく、わからないよねぇ。(^^;;)
そういうのは、映画としては、どうなんだろう。

ドラマが好きだっただけに残念だ。
ドラマのまま終わったほうがよかったなぁ。

でも・・出費は¥1000だし・・
映画の内容的には鷲津が勝利したんだし・・
ワクワクしたところもあったしいいのか。

まぁ、ほどほどに楽しみめる映画ではある。
是非にとまではいかないけれど、

ちょっと映画でも観て、お昼を食べて、そのあとに
デパートでもひとめぐりするには最適といったところ。

機会があれば、どうぞ。でもTVドラマ編のほうをレンタルでみた上で、
観たほうが、物語がわかりやすいかもしれない。

と・・・ここまで書いて、訂正。

うーん。映画のほうもレンタルで、充分かもしれないねぇ。

ああ・・身も蓋もない結論。本日はこれにて。  <(_ _)>

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