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エリザベスタウン [映画感想 あ行]

エリザベスタウン スペシャル・コレクターズ・エディション

エリザベスタウン スペシャル・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/02
  • メディア: DVD

映画タイトル:エリザベスタウン
初公開年月 :2005/11/12
監督:キャメロン・クロウ
脚本:キャメロン・クロウ
出演:オーランド・ブルーム  キルステン・ダンスト  スーザン・サランドン 他
   
■2006.9.25(月) 本日の一言■

オーランド・ブルーム ファンの友達が、彼の主演の「エリザベスタウン」を借して
くれた。
この映画は歴史やファンタジーの世界ではなく現代のオーランド・ブルームが観れる
作品として話題を呼んだ。私にとっては「時間がとれたら観るか・・」と思いつつ、ぼんやり
しているうちに上映が終了した作品であり、TUTAYAに並んでも「まぁそのうち観るか」と
なかなか触手を伸ばさなかったが、友人から借りればタダだしっ!( ̄▽+ ̄*)ホホホホホ 
先週の金曜日に初鑑賞した。

あらすじは、以下のようなモノである。
大手シューズ会社に勤務するデザイナー、ドリュー(オーランド・ブルーム)は、
自分がデザインしたシューズが全く売れず、返品の山を倉庫に築かせ、四捨五入すると
10億ドルもの大損害を会社に与えた。
当然、ドリューは会社から解雇され、付き合っていた彼女からも捨てられてしまう。
何もかも失い自殺を考えるドリューだったが、父親が故郷先で心臓発作で亡くなったとの
報せが届く。ドリューは父の葬儀のためにケンタッキー州の小さな街、エリザベスタウンへ
と向かうこととなり、飛行機の中で、陽気でお節介焼きのスチュワーデスの
クレア(キルステン・ダンスト)と出会うのだった。・・

では・・感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

さて、映画館で予告編を観た限り、この物語は主人公ドリュー(オーランド・ブルーム)の
仕事の失敗からくる失意と再生までをロードムービーとして語る物語だと思っていたのだが、
鑑賞をスタートすると、物語の中心は亡くなった彼の父を取り巻く人々の物語になったり、
クレア(キルステン・ダンスト)との恋の物語になったり、ドリューの母の再生の物語に
なったりと、話の芯となる部分が次々と変化をみせるものだった。
よって、登場人物たちの思いを一つ一つ丁寧に描かれ、それらは非常にうまく映画の中を
流れてゆくのだが、それに対する主人公ドリューの思いが鮮明に語られることはなく、
登場人物たちの思いや行動に対しドリューを演じる、オーランドの「しょうもないなぁ」
という暖かく穏やかな笑みで、常にシーンが閉じられてしまうので、観ているこちらとしては、
だから・・何なんだ?( ̄ー ̄;;)...ン?という疑問と、ただ流れているだけの間ノビをした
感じを受けて、映画を観ている途中から正直にいえば、かなり退屈になっていった。
ドリューが魅かれるクレアとの携帯電話での会話のシーンも、喋っているシーンこそ多く
流れはしても会話の内容自体は面白みもなく、映画の中だけでセリフをほとんどはさむことなく
二人だけが盛り上がり、美しい朝焼けを見ようと互いに車を走らせて道の途中で落ち合う
わけだが、こちらが盛り上がる雰囲気を共有していないので、今ひとつ説得力がなく、
恋に落ちはじめるきっかけとしては、薄ら甘い感じだけが残った。
こういった状態が永遠と2時間続くので、映画の予告編でメインとして流れていた
父親の遺骨と共にドリューが車でドライブしてゆくシーンが、画面にでてきた時には
「やれやれ・・やっと予告編のシーンか・・」という気分を持ってしまい、疲れを覚えるのを
止めることはできなかった。
しかし、このドライブシーンのバックを流れる音楽は、懐かしい味わいに満ちていて大変よい。
まるでMTVに流れる秀作なプロモーションビデオを見ていると思えば悪くない。
風景や脇を演じる俳優たちの表情は、美しくよくとれている。
曲の良さに翌日、思わずサントラ盤を購入してしまったし・・(^^;;) 
そのまま土・日に近所をドライブしながら聴いてみたが、少し涼しくなった日本の秋風に
ピッタリとマッチして、本当に楽しかった。
あれ・・??これは映画のお話じゃなかたっけ??(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

次に俳優の感想である。

主人公ドリューを演じたオーランド・ブルーム。
うぅううむ・・(--)である。ハンサムだし・・演技も悪くない。
ショックを受けた青年の感じはよく出ているのだが、どうにも・・役どころがパッとしないせい
なのか・・あまり自分の中に印象が残ってこない。
以前にも、このブログに書いたことがあるのだが、彼は準主役があっているのかもしれない。
強烈な俳優の脇で、茶々をいれたり突っ込みを入れると味わいがあるのだが、主役になると
オーラが薄い感じがするのだ。
もっと強烈な役どころや、性格のはっきりした役で一度、観てみたいというのが正直なところだ。
あまりにも、この主人公のドリュー・・影が薄い。画面に多く出てくるくせにクラゲのように、
フニャリとしていて透明だ。主役なのに本当に残念である。
次回作(パイレーツ オブ カリビアン以外で)での演技を期待したい。

次、最終的にはドリューの恋人となるクレアを演じたキルステン・ダンスト。
演技は相変わらずのうまさであるし、クシャリと笑う可愛らしさは美人ではないのにキュートだ。
しかしこのクレアという女性の役も、よくわからん女性の役であった。
少々お節介な良い人なのかなぁ・・思わせながら、どうみても友人以上の時間をドリューと
共有し、自作のドライブ用の地図やCDをプレゼントしつつ「私は穴埋めの女だから」のような
意味深なことを言ったりする。しかしねぇ、そういいながらもちゃっかりと最終目的地で
ドリューを待っている女ってどうだろう・・このシーンだけで私はかなり怖い女を感じて
引いてしまった。[壁]▽ ̄ ;)<ゲゲ・・怖いよぉ・・この女・・
好きな女優であるキルステン・ダンストに非はないのは、わかっているのだが・・
こちらもまた次回作の役に期待したいものである。

最後に映画の全体的な感想を書いておこう。

物語は、本当に膨らんでいて大きいから、2時間も上映しているのだけれど、
まるで綿菓子を食べているような甘さと芯のなさを感じる映画だった。
いったいこの映画は何を伝えたかったのか?エンディングを迎えても、私は結局わからない。
10億ドルの借金を作って会社を解雇された男の再生物語??にしては、再生のきっかけが
よく見えない。(この10億ドルの借金も、シューズメーカーにしては妙に大きい金額である。)
10億ドルですよっ!(@@)日本円で約1000億円(@@)それが、たったこれだけの小旅行で
失意から再生されてしまうなんて、ムリがある。安っぽい失恋の再生物語じゃあるまいに・・・。
私としては、物語のおもしろさ、淡々とした中にも感動するものを期待していただけに
残念である。
オーランド・ブルーム ファンは、彼の姿を観て喜べる映画かもしれないが、物語自体の楽しさを
目的に観るには、私からはお薦めできる映画ではなかった。

<ちょっと余談>
フォローというつもりではないが、映画に流れるBGMは大変耳に心地よい。
というわけで、この映画のサントラ盤は下にお薦めCDとしてリンクは張っておくことにする。
来週もこのCDをかけながらドライブしようかな・・(^-^)

パラマウント映画提供「エリザベスタウン」オリジナル・サウンドトラック

パラマウント映画提供「エリザベスタウン」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ, ナンシー・ウィルソン, トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ, エルトン・ジョン, ヘレン・ステラ, ライアン・アダムス, マイ・モーニング・ジャケット
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2005/11/09
  • メディア: CD

「エリザベスタウン」オリジナル・サウンドトラック Vol.2

「エリザベスタウン」オリジナル・サウンドトラック Vol.2

  • アーティスト: サントラ, トム・ペティ, ライアン・アダムス, レイチェル・ヤマガタ, ザ・ビギング・オブ・ジ・エンド, ピンバック, パティ・グリフィン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/04/26
  • メディア: CD


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コメント 11

こんばんは。この監督はいつもいい映画を作るんですけど、今回に限っては音楽に頼りすぎの気がしましたね。最後なんかほとんど音楽にのせた観光ツアーでしたし(笑)。『ザ・エージェント』とか『あの頃ペニー・レインと』なんかは素晴らしい作品ですよ。もちろん音楽も。
by (2006-09-26 21:23) 

まなてぃ

>noricさん、Niceをありがとうございます。
本日、そちらのブログにも参りましたが、
ウルトラマンの肉まんおいしそうで、楽しく読ませてもらいましたよ。
by まなてぃ (2006-09-26 21:44) 

まなてぃ

>katoyasuさん。こんばんは。(^^)
Nice&コメントありがとうございます。
『あの頃ペニー・レインと』はまだ未見ですが、なかなか良い映画
との評判ですね。機会があれば是非、鑑賞してみたいものです。
この『エリザベスタウン』は、katoyasuさんの言うとおり、映画の
内容はいまいちでしたが、BGMは本当によかったですねぇ。
2枚目のサントラも買おうか・・少々迷っているところです。(^^;;)
by まなてぃ (2006-09-26 21:50) 

incrocio

お久しぶりです。
ドライブのBGMに使えるサントラのコレクションが一つ増えただけでも見た甲斐があったといえそうですね。それも映画を見る楽しみの一つですから。
by incrocio (2006-09-27 21:29) 

のんたん

まなてぃさん、こんばんは。(おはよう?!)
エリザベスタウン!これ、彼のなんですか。ほんと印象薄いです(笑)
彼、演技が○手なんでしょうか。次の出演作に期待したいですね。
きれいな顔した、いい男ですし。なんて。

ところで私のブログに「金針花」の第二弾をアップしたのですが
そこにニッコウキスゲのことを書きました。まなてぃさんのお名前を
出しましたが、問題ないですか?そしてもしよろしければ、こちらの
ブログもあわせて紹介させていただきたいのですが、よろしいですか?
by のんたん (2006-09-28 04:35) 

まなてぃ

> incrocioさんNice&コメントありがとうございます。(^^)
サントラがよかったのが唯一の救いという感じでした。
できれば、映画もよければ、もっとよかったのですが、なかなか
難しいものですね。今回のこの映画はミュージカルというわけでは
なかったので、それほど音楽には重点を置いていなかったのですが
思わぬ拾いものといえば、そうかもしれませんね。(^^;;)
by まなてぃ (2006-09-28 18:33) 

まなてぃ

>のんたんさん、こんばんは。(^^)コメントありがとうございます。
そうなんです・・映画『エリザベスタウン』は、オーランド・ブルーム
主演ですねぇ。しかし本当に影が薄い・・・(--)
このDVDをかしてくれた友人は、公開当時、
大喜びで観にいったそうですが、観終わった後はその物語の
イマイチ感に、気分がしぼんだと、私がDVDを鑑賞した後に
教えてくれましたよ。(汗) それでもDVDを購入してしまうのは
やはりファンのなせるワザといったところでしょうか?(笑)

>まなてぃさんのお名前を出しましたが、問題ないですか?
>そしてもしよろしければ、こちらのブログもあわせて
>紹介させていただきたいのですが、よろしいですか?

問題ありませんよぉ。ありがとうございます。(^^)
これから第二弾の「金針花」を読みにうかがいます。
楽しみですっ♪
by まなてぃ (2006-09-28 18:42) 

DSilberling

こんにちは。
この映画はブルームで見ると言うより、キャメロン・クロウで見た方が良いと思います。私はとても好きな映画のひとつです。人生の挫折を超える旅。日本人にはない感情かもしれませんね。
by DSilberling (2006-09-30 21:20) 

のんたん

そうだ、キャメロン・クロウ。
私、シングルス好きなんです。サントラはもっと好きかもしれません。
ロン毛のマット・ディロンはどうかなー・・・って思いましたけど(苦笑)
セリフも好きでした。
CD聴いてて(サントラに入ってるバンドの)思い出しました。
by のんたん (2006-10-01 13:04) 

まなてぃ

> DSilberlingさん、はじめまして、の、こんばんは。
コメントありがとうございます。(^^)
キャメロン・クロウ監督の映画は今回が初鑑賞でしたので、
どういった映画を主に撮るのかというのは、今のところ
未知数といったところですね。こちらのコメントに数々寄せられている
『ザ・エージェント』や『あの頃ペニーレインに』etc観ると、
また違った気持ちでこの『エリザベスタウン』にも向かうことが
できるかもしれないですねぇ。
人生の挫折を超える旅・・・・。確かに日本人にはあまりない
感情かもしれない。挫折して旅する日本国内旅行。
私だったら何処に行くか・・うーーん温泉??かなっ!
スケールが小さいっすかね。(^-^)ヾ
by まなてぃ (2006-10-01 19:11) 

まなてぃ

>のんたんさん、再びのコメントありがとうございます。
『シングルス』は、まだ私は未見ですねぇ。そう思うと未見の
作品はまだまだあって、先の映画鑑賞が楽しみになりますねぇ。
検索したところによると、評判もなかなかといったところだし・・
この『シングルス』も流れるBGMに期待が持てそうですね。
ちょっとレンタルショップで探してみますね。(^^)
by まなてぃ (2006-10-01 19:22) 

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