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ゴッドファーザー [映画感想 か行]

ゴッドファーザー

ゴッドファーザー

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: DVD

映画タイトル:ゴッドファーザー
初公開年月 :1972/07/
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランド  アル・パチーノ  ロバート・デュバル ダイアン・キートン  他
   
■2006.9.20(水) 本日の一言■

この3連休は、休みが長く続かないと観れない長編作品「ゴッドファーザー」を鑑賞した。
この映画は言わずと知れたコッポラ監督の代表3部作である。
「ゴットファーザーPart3」の公開が、私としては初の「ゴッドファザー」との出会いであり、
観た作品だった。
Part3はアルパチーノ演じるマイケルが、ファミリーの親玉としての貫禄を既にもった状態
となっており、彼のそれまでの歩みや葛藤をよく理解できぬまま、彼の悲しい最期を
スクリーンで見送った事を今でも覚えている。
いずれは、Part1もPart2も観てみたいものだと思いつつ、その2つの作品の
上映時間を見る度に、どちらも3時間近く、もしくは3時間を越える作品と知って、
二の足を踏んでいたのだが、今回は3連休も手伝ってレンタル屋でPart1のDVDを
手に取り借りてきた。私にとっては映画『フェイク』以来のマフィアものである。
約2時間55分の上映であるが、一般の評価も高いし、期待大での鑑賞開始となった。
さて、どうなることやら。(^^;;)

あらすじは、以下のような感じである。
アメリカでマフィアとして成功を収めたイタリア移民のコルレオーネ。
その屋敷では、彼の娘コニーの結婚式が行われていた。華やかな宴が繰り広げられる庭とは
別に書斎では、主人のドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブラント)が友人たちの
相談ごとを聞かされ、解決の約束を友人たちに与えていた。
彼は相手が貧しくとも助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやる度量を
もっていた。その報酬は友情の証と、「ゴッドファーザー」という尊称、そしてどんな時でも
彼の呼び出しに応じ、恩を返すことである。これらが互い無言の誓約であり、その掟である。
そんなある日、麻薬を商売にしているマフィアのソロッツォが麻薬を購入するための資金ぐり
と政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要として屋敷にあらわれる。
しかしドンは麻薬を嫌い丁重に断った。ドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると直感した
ソロッツォは、手下を使ってコルレオーネの暗殺を企て、彼に銃弾をあびせるのだが、
強靭なコルレオーネは一命をとりとめる。
暗殺未遂を知った、コルレオーネの三男マイケル(アル・パチーノ)は、父の思い(マイケルが
表社会で成功することを祈っていた)を知りつつも、暗殺を企てたファミリーの一掃に、
計画を立案し、自ら銃をもって裏切り者のたちを抹殺するのだが・・・・

では・・感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

ドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブラント)に娘の復讐をお願いする友人のアップ
から始まるこの映画、外では娘の結婚式がとり行われ、幸せそうに明るい庭で酒を飲み、
食卓を囲い、音楽に合わせて踊る大勢の人間たちと、屋敷の一室でカーテンを締め切り、
一筋縄ではいかない問題を次々と聞かされる、ドン(マーロン・ブラント)の苦味をつぶした
ような顔が対比され、強い印象を残すオープニングである。
初めのパーティーシーンは、事件が何一つ起こらず間延びをしたような感じを受けるのだが、
パーティーが終わった後から、ドンの問題に対する、血も凍るような采配が次々と実行され、
物腰はやわらかくとも、歯向かえば容赦をしないドンの底知れぬ強靭な力が、スクリーンを
占拠してゆく。それらのシーンは過剰演出をはぶき、スピードもあって妙に生々しく
観ている者を引きづりこむような作りとなっている。例えば、ドンが名付け親となり
歌手となった男の願いは「自分に合った配役を映画プロデューサーが難色を示しているので、
なんとか説得して欲しい」というモノであったが、ひとたびドンの提示する穏やかな忠告を
プロデューサーがハネつけたばかりに、彼の愛馬は首を切断され、彼が眠るベッドの布団へ
入れられるのである。私はてっきり血まみれになったプロデューサーの腹を観て、銃弾で
撃たれたのかと思っていたのだが、彼の足元に転がる黒いモノが、はじめよくわからず
「何が転がってるの?何だろう?何だろう・・」カメラワークと共にシゲシゲとTV画面に
近づいた挙句、それが「馬の首!切れてる!死んでる!」( ̄□||||!!とわかって
ε≡Ξ≡Ξ≡Ξ≡Ξ≡ヽ(;゚〇゚)ノアウアウ と、後ろに飛びのく失態をした。
いっそのことすぐに馬の首とわかるようにしてくれれば、一人で鑑賞していたとはいえ
こんなみっともない行動をせずに済んだのに・・と、少々コッポラを恨みたい気分である。
映画はこのようなカメラワークをもちいて、血を血で洗うマフィアの抗争を大袈裟にすることなく
静かに追ってゆくのだ。その動きは孫と庭で遊びトマト畑で死ぬドンの人生の終焉も、
ゆっくりと沈む大きな夕日をみるような感慨を味わせ、アル・パチーノが演じるマイケルが、
初めは気弱そうな青年であったのにもかかわらず、父の暗殺未遂事件をきっかに除々に
マフィアとしての才能に目覚め冷徹になってゆくのを知るには、ちょうど良いテンポとなる。
コッポラお得意の重厚感も、妹の子供の名づけ親となって洗礼式に立ち会う教会のシーンで、
充分に味わうことが可能だ。教会の荘厳さと神父の言う「悪をしりぞける事を誓いますか?」と
いう問いに「はい」と宣誓するマイケルのシーン、敵を一掃するために次々と殺されてゆく
血なまぐさいマフィアのシーンが交互に画面へと現れるところは、秀逸なものであり、
映画を観終わった後、しばらく心に残ったことは言うまでもない。
さて、ここまで手放しで誉めたので、一言だけケチをつけたくなる部分についても書いておこうか。
それは、あまりにも登場人物が多いということだ。よぉおおく画面を観て、役どころと役者の顔を
覚えておかないと、この人はファミリーのどちら様でしたっけ?( ̄ー ̄?).....??アレ?? と
なることが、しばしばである。DVDでの鑑賞だったので役と顔が不明になったときは、
チャプター選択をして、それらの確認ができたから良いようなものの、これが映画館であったなら
間違いなく私は、どの人が味方なのか敵なのか?と混乱してお手上げ状態で映画を観終えた
ことになっただろう。役どころの確固たる印象をもう少し作ってくれれば、理解できるのにと
思わずにはいられなかったことを明記しておきたい。
ホント頼むよぉー!コッポラ監督・・である。

次に俳優の感想。

初代のゴットファーザーであるドン・ビトー・コルレオーネを演じた、マーロン・ブラント。
いやはや、痩せていて迫力があって渋くて・・・お爺さんなのに格好がいいというのが
第一の感想である。(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
私が初めて観た彼の映画は『ドン・ファン』の引退間際の親切で人の良いお爺さん精神科医役
で、かなり太っていたし・・・人の良い眼差しが印象的な俳優さんだったのだ。
それが今回は、動かざること山の如しといった、侮れない底の深い役に驚き入るばかりである。
ちょうど母が若い頃の世代にスターとして鳴らした俳優であったけれども、母いわく、
この『ゴッドファーザー』にでる、ちょいと前までは少々、落ち目だったそうである。
しかし見事、カムバックするだけの度量の深さを感じさせる演技ぶりである。
後半は、アル・パチーノが演じるマイケルの出番がほとんどであるにもかかわらず、この映画で
一番、印象に残ったのは誰ですか?と聞かれれば、間違いなくマーロン・ブラントだ。
オープニングのバリッ!とした存在感とトマト畑で最期を迎えるときの寂しげな風貌の対比が、
いつまでも残る感じである。本当に素晴らしい演技を見せてもらった。

次、この映画で大スターになった三男マイケルを演じた、アル・パチーノ。
とにかくっ!若い!若い!若い!若い!びっくりするほど若い!(◎◎)
演技も、初めは固くて印象が薄いのだが、いよいよドンになりかわって2代目を継いだあたりから
メキメキと印象が強くなり、静かだが冷徹で行動力もあるマイケルをこれでもか!と演じている。
印象に残った彼の演技は、妻に「自分(マイケル)の妹の夫を殺したのか?」と言う質問に
「殺ってはいない」毅然と嘘をつき通し、扉が閉まる直前に遠めから妻を見る立ち姿である。
思わず「格好いい・・・」( ̄ー ̄)フッ と喜び、そのシーンをもう一度、繰り返して観てしまった。
映画『フェイク』での、情けない下っぱマフィアもなかなか楽しめたが、この二枚目ぶりの演技も、
フフフ(^m^)と喜べるもので、彼の人気が出たのも納得がゆくものだった。

最後に映画の全体的な感想を書いておこう。

今から約34年前の映画となるわけだが、なかなかどうして、あまり古びた感じも受けずに
最後まで鑑賞を楽しんだ映画であった。
出てくる出演者は主役から脇役にいたるまで、その人が現実にいるかのように演じており、
物語の進行も「これは、ちと無理があるだろう」やら「おかしいだろ?」と自分の首が、
ねじ曲がることは皆無であった。
また観ている最中は、オープニングあるパーティのシーンを退屈だなぁ(--)
と思いはするものの、全体を観終わった後に、あの結婚式のパーティを思い起こすと
その裏の暗い物語の対比や箸休めとして、必要不可欠だったのだな・・と理解がいき、
本当によく考えて製作された映画だな・・と感じた。
まぁ多少、むさくるしい男ばかりの世界で、女の影が薄いな・・ともいえるが、
最後にマイケルの妹が半狂乱になって、泣き叫んだり、妻がつめよったりするシーンを
観ただけで、私は妙な疲れを覚えて「あ!これは女の出る物語ではないのだな・・」と
合点がいった。仮に賢いドンの女がでてくれば、アメリカ版の『極道の妻たち』に
なってしまう予想もついたので、女がシャシャリ出ないのは正解なのだと思う。
マフィアくらいは、映画の中でも男の世界!それでいいのではないかという感じだ。

上映時間は約3時間。<ハッキリいって長いです・・(@@)
おまけに、役者の顔やセリフ、少々頭を使う映画なので、ゴールデンウィークやお盆休み、
お正月休みと、じっくり観て、じっくり休めるときにお薦めしたい映画である。
覚めた男気を感じたい方、見たい方・・ぜひ!どうぞ。(^^)


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のんたん

こんばんは^^
そうですね、これは軽い気持ちでは見られません。腰を落ち着けて
覚悟してみないと・・・「最凶女装計画」とは違って^^;
父は毎週末テレビの映画番組を見ていたんですけど(多分今も見てる
と思いますが)子供の頃に、テレビで一緒になって見たのが最初です。
理解できなくて父に説明を求めながら見ていたような覚えがあります。
そして最初のイメージは強くて、アル・パチーノよりもやはりマーロン・
ブランドの存在感が今でも強烈です。トマト畑で死を迎えるシーン、
あの音楽、全てが深く印象に残る骨太の映画ですね。
by のんたん (2006-09-21 01:05) 

こんにちは。馬の首のシーンはほんとうにビックリですね。あとはジェームズ・カーンのすぐ切れる弟も面白かったですね。まあ、マフィアの世界は恐いです。デ・ニーロが若い日のドン・コルレオーネを演じるパート2も傑作です。1作目同様長いですが・・・。パート3は無視していいと思います(笑)。
by (2006-09-21 11:05) 

ken

マーロン・ブランドは当時まだ48歳でした。
なのに、あの老け役ということで、当時は話題になったと聞きます。
「パート3」も無視できないと僕は思いますけどね。
by ken (2006-09-21 16:50) 

まなてぃ

>こんばんは、のんたんさん。コメントありがとうございます。(^^)
確かに子供の頃に観るには難解な物語ですよね。
大人になった現在、観てもこの役はどちら様??と 私は疑問顔に
なりました。(^^;;)
ゴッドファーザーのトマト畑での孤独な死のシーンと音楽は、
本当に悲しかった。骨太だけれど続きのPart2が観たくなる
作品でした。それにしてもPart2の上映時間は200分って、
いくらなんでも長すぎですよねぇ。
by まなてぃ (2006-09-21 23:15) 

まなてぃ

>katoyasuさん、こんばんは。Nice&コメントありがとうございます。
馬の首のシーンは、本当にびっくりでした。(^^;;)
よもや、あの目をむくような値段のする馬を殺すとは!実のところ、
まったく予想だにしなかっただけに、ド肝を抜かれました。(笑)
Part2も、世間の評判はなかなか高かったので、是非!観てみたい
と思ってます。
初めて観た、ゴットファーザーシリーズがPart3だったのですが、
マイケルが椅子から転がり落ちるように死んでしまうシーンを
悲しいと思う以外に、他は今ひとつ意味がよくわからなかったことを
思い出しますねぇ。Part2を観てから、Part3を観るとまた、違った
感想をもてそうな気もするんですけどね。(^^)
by まなてぃ (2006-09-21 23:25) 

まなてぃ

>kenさん、こんばんは&はじめまして。
コメント、どうもありがとうございます。(^^)
>マーロン・ブランドは当時まだ48歳でした。
というコメントに、えぇええ!48歳?どう観ても60歳は超えてるよ!と
驚きの声を上げてしまいました。
でも、それだけの名演技ということだったのでしょうね。
彼の評価が名俳優という理由も、この作品で納得がいくように
なりましたよ。
Part3は、娘が殺されたこと、マイケルが孤独の死を迎えたこと
のみが、私の記憶に刻まれています。Part2を観終わったのちに
Part3を観たら、また違った感想がでてくるかもしれません。
観るのはお正月かなぁああああ!長いし・・
この先が本当に楽しみになる作品でしたね。
by まなてぃ (2006-09-21 23:32) 

noric

DVDコレクション、購入しました~。
by noric (2006-09-23 09:25) 

まなてぃ

>noricさん、こんばんは。Nice&コメントありがとうございます。
DVDコレクションが出ているのですね。Part2、Part3と観たら
欲しくなってしまうかもしれませんねぇ。
金欠なのに・・困ったものです。(^^;;)
by まなてぃ (2006-09-23 23:11) 

まなてぃ

>りんこさん、Niceありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2006-10-07 23:53) 

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