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エターナル・サンシャイン [映画感想 あ行]

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD

映画タイトル:エターナル・サンシャイン
初公開年月 :2005/03/19
監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:チャーリー・カウフマン
出演:ジム・キャリー  ケイト・ウィンスレット キルステン・ダンスト 他
   
■2006.9.15(金) 本日の一言■

会社も暇な状態になったので、ベルさっさで帰宅をできる昨今である。
かといって、観たい映画の上映に間にあうほど早く帰宅できるわけではない。
日々こうして観ようかな・・と思っている映画をスクリーンで観る機会を逃していくのだ。
というわけで、昨日、会社帰りTUTAYAによって目に入った「エターナル・サンシャイン」を
借りてきた。この映画は「観たい観たい」と言いつつ、やはり予定がうまく取れなくて
見逃した作品である。
ジム・キャリー主演の映画を観るのは『マスク』以来だが、
シリアス?なジム・キャリーを観るのは、今回が初めてだ。パッケージを見る限り、
とても『マスク』の役者さんとは思えないような、格好いい横顔。(^^;;)
久しぶりの恋愛モノだけに、期待は大での鑑賞開始である。

あらすじは、以下のような感じである。
ジョエル(ジム・キャリー)はちょっと風変わりな彼女、
クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)と喧嘩をしてしまう。
バレンタインデーに、謝りヨリを戻そうとしていたジョエルだったが、
ラクーナ社というところから手紙を受け取ることとなる。
手紙には、「クレメンタインはジョエルに関する記憶を全て消去しましたので、
彼女の過去について、彼女にも近づかないようにお願いたします」と書かれていた。
彼女との仲を取り戻そうとした矢先のショックな出来事に、ジョエルは自分自身も
持っているクレメンタインとの思い出を消去しようと衝動的に思いつき、
ラクーナ社を訪れる。
ラクーナ社はジョエルに、一晩眠っているうちに脳の特定の思い出の部分を消去できる
技術をもっていることを伝え、ジョエルはその施術をうけることを決意するのだったが。

では・・感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

初めてジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンストレット)が
海で出会ったかのようなオープニングで始まる物語。
しかし映画を観続けていくうちに、その始まりのシーンは互いの記憶を消去し終わった
後に起こる出会いの奇跡だったのだとわかる仕組みで映画は進んでゆく。
よって、初めの30分くらいは、いったい何が何やら意味がよく掴めない映画だな・・
という感想を持つのだが、いよいよジョエルのクレメンタインに対する記憶除去の作業が
眠っている間に行われ、夢として今までの二人の記憶が紹介されると、1つ1つのパーツを
はめ込むように物語の全体像がよく見え出して、おもしろくなってきた。
夢の中で、ジョエルはクレメンタインとの良い時と悪い時の思い出をたどってゆく、
悪い時の思い出は、除去したいと思ってはいても、良い時の記憶が確認するように夢で
見せられたとたんにジョエルは、この思い出だけは消したくないと心から思い、
夢の中に存在するクレメンタインに「どうすれば君を忘れず覚えていられるようにすることが
できるだろう」相談までして、二人で記憶除去に抵抗し、思い出除去会社に語らなかった
ジョエルの幼い子供時代の思い出へ共に逃避行して、クレメンタインの記憶を残そうと
様々な反抗を心みたりもするのだ。
いやはや・・夢でここまで好き勝手にできたら、さぞかし楽しいだろうなぁ・・
あんなことや、こんなことも夢の中でやっちゃったりして・・いいよねぇ・・( ̄ー ̄)フフフフ
と、夢をよく見る私はこのシーンを味わい深く楽しんだ。
また、この映画はジョエルの恋ばかりでなく、現実の場所で除去作業をするラクーナ社の
社員の除去作業、情けない行動、恋の行方も製作されて、飽きない作りとなっている。
しかしそれにしても、女優キルステン・ダンストが演じるラクーナ社の秘書メアリーが、
自分自身も記憶除去をしていたことを知り、ショックを受けたことは気の毒とは思えど、
記憶除去を済ましたお客様に対して、思い出の品を返却し「あなたの記憶は消去されて
います」と教える行動は、それは余計なお世話ではないのか?と自分の老婆心が動くのを
止めることはできなかった。(--)

次に俳優の感想である。

まずは、気が弱くてちょっと衝動的な性格をしたジョエルを演じたジム・キャリー。
『マスク』に出演していたジム・キャリーの姿が、いつまでたっても抜けないせいで
内気でおとなしくて、ちょっと鬱屈している役をやっていることが、
どうにも信じられない感じだ。夢の中での本音を呟く声やら悲しげな眼差しは、
大変よかった。自業自得と見捨てきれず、逆に応援したくなるような青年を押し付ける
ことなく好演していると思う。久しぶりに彼を観たわけだけれど、これからは新作も
気にしてみたくなる演技ぶりだった。

次、ジョエルの彼女クレメンタインを演じた、ケイト・ウィンストレット。
実は、『タイタニック』をまだ観ておらず、初めて彼女が出ている作品で観たものが
『ネバーランド』の4人の子供のいるお母さん役だったので、今回のぶっ飛んだ
小娘ぶりがムリをしているように私には見えてしまった。(^^;;)
髪色や行動の演技ぶりは突拍子もない小娘・・という感じに見えるのだが、
顔をみるとあれ・・以外に老けている??(@@)という落差を感じてしまうのだ。
これはジム・キャリーにもいえることなのだが、この作品の二人は行動は若いのに
顔はどちらも老けている・・という現実をみさされた感じだ。
今回のケイト・・演技は悪くないけれど本来ならもっと若い女優が演じたほうが
物語に説得力がでたような気が何度もしたのだった。しかし演技のほうは二重丸である。

最後に映画の全体的な感想を書いておく。

現実と夢と思い出、そして未来の層が何層にも重なって、この映画はできていたので、
観始めたときには、今のシーンはいったい何処の層の話なのか見極めがつきにくく
物語の姿が見えなかったのだが、映画が進むにつれて、登場人物の表情の意味、
セリフの意味やオープニングの意味がだんだんほぐされて、そのほぐし感を除々に楽しむ
映画なのではなかろうか。
セリフはしっかりと記憶に刻んでおいたほうが、後々語られるシーンとのリンクがわかりやすく
なるので、今思うと、のんびりと鑑賞できる恋愛映画とは一線を画した感じだ。
しかし最後はなんだかんだといっても二人がハッピーエンドに収まってくれるので、
ちょいとお騒がせな恋人の佳作として心に残る映画であり、今回のこの騒ぎに懲りて、
今度こそ幸せになるんだぞ・・と、妙な応援をしたくなる二人でもある。
わかりにくいという映画と評判だったが、私は複雑な味のする飴をなめるような感じで、
楽しめて得をした気分だ。(^^)

ベタな恋愛モノはもう飽きた・・とか、今までとは趣向の違う恋愛映画を
観たい人にお薦めな作品。秋の夜長にどうぞ・・・(^^)/


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コメント 10

movie_lman

こんにちは。私もこの作品大好きです。(以前、記事に書きました☆)
確かに始めは???な展開もだんだん物語が進むうちに、あーなるほどといった感じでどんどん引き込まれて行く内容ですよね。
記憶除去の仕方がなんともいえず、、、面白いですよね。そこが、チャリ−カウフマンっぽいのかも。
by movie_lman (2006-09-16 01:12) 

まなてぃ

>こんばんは、movie_lmanさん。(^^)
初のおこし&Nice&コメントありがとうございます。
本当に、物語が進むにつれて、あぁあああ!なるほど納得(^-^)
と、うなづける楽しい映画でしたよね。
記憶除去という手法も、本当に面白かったです。
チャリーカウフマンという脚本家さんのモノは今回、初めて観た
のですが、こういった感じのお話が多いのかな。
これから、ちょっと脚本家にも注目して観てゆこうと、このコメントを
読んで思いましたよ。(^^)
by まなてぃ (2006-09-16 20:45) 

takepii

こんにちは。私も記事にかきました。恋愛映画でくくっていいのかどうかですが、ぴか一、ベストワンです。なにやら、この映画を観ていると人の業(ごう)は、恋という名で簡単に片付けられないほど深い深いものだと思ってしまいます。
by takepii (2006-09-16 20:53) 

>こんばんは。私も記憶を消したいな~と思うこと多々あります(笑)。それにしてもこれは結構切ないものがありますよね。ジム・キャリーの抑えた演技がそれを引き立ててましたよね。ですが、カウフマンの脚本ならベストは『マルコビッチの穴』です。ぜひ見てみてください。
by (2006-09-16 21:34) 

movie_lman

こんにちは。
わたしのオススメもkatoyasuさん同様「マルコビッチの穴」です。
良かったら記事書いてますんで、是非お暇なときにでも読んでみて下さい☆『アダプテーション』は、もてないニコラス・ケイジがおかしいです。もてなくてデブになってて、、、、、でも瞳はうるうる しているのです。(笑)
by movie_lman (2006-09-16 22:18) 

u_yasu

こんばんは、お邪魔します。
私もこの映画、最初は?な部分が多かったですが、観終わって凄く好きな作品のひとつになりました。
ホントに一風変わった恋愛映画ですよね。
by u_yasu (2006-09-17 19:18) 

まなてぃ

> こんばんは、takepiiさん。Nice&コメントありがとうございます。(^^)
恋愛映画じゃないとすると、恋人たちの思い出トラベラー映画です
かね(^^;;)
最後は再び二人が巡り合えて、ヤレヤレという親心のような気分に
なりました。いろんな意味で新鮮で楽しい映画でしたよ。
by まなてぃ (2006-09-17 22:41) 

まなてぃ

>こんばんは。katoyasuさんNice&コメントありがとうございます。(^^)
私も出来るものなら記憶除去装置の若気の至り(恋愛に限らず)
というモノをバッサリと削除したい。と思いましたねぇ。こんな装置が
あったら本当にいいのですが。
『マルコビッチの穴』はまだ未見なのですよ。公開当時はけっこう話題
になりましたよねぇ。これで、また観たい映画のリストがどんどんと
増えていきますね。映画の世界は本当に広い!(^^)v
by まなてぃ (2006-09-17 22:48) 

まなてぃ

>movie_lmanさん、再びのコメントありがとうございます。(^^)
『マルコビッチの穴』・・かなり興味がでてまいりました。
あとは、我が家の近所にあるTUTAYAに『マルコビッチの穴』が
あるかどうかですね。ちょっと心配ですねぇ。最新作は充実して
いるのに、ちょっと旧作になると、置いてなかったりするんですよ。
観たい映画のリストに加えておきたいと思います。
お薦め、ありがとう。(^^)
by まなてぃ (2006-09-17 22:51) 

まなてぃ

>こんばんは、はじめましての u_yasuさん。(^^)
Nice&コメントありがとうございます。
本当に最初は「?????」の連続で、これは、よもや外した映画?か
と、悲しい気分になったのですが、お金を払ったのだから最後まで
観なきゃ映画はわからん!と、観続けてよかったぁああ!でしたね。
こういった、恋愛映画なら、いつでも観たいものです。(^^)
新鮮で斬新で、お気に入りの恋愛1つになりましたよ。
by まなてぃ (2006-09-17 22:56) 

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