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シュリ [映画感想 さ行]

シュリ

シュリ

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2006/06/23
  • メディア: DVD


映画タイトル:シュリ 
初公開年月 : 2000/01/
監督: カン・ジェギュ
脚本: カン・ジェギュ
出演: ハン・ソッキュ キム・ユンジン ソン・ガンホ 他
   
■2006.7.19(水) 本日の一言■

3連休の最終日、7/17は、おとなしく家で、妹が持っていたDVD、
映画「シュリ」を久しぶりに鑑賞した。(3度目の鑑賞。)
この映画は韓国映画としては、日本の地で初の大ヒットをした作品であり、
韓国映画が、ハリウッドでも通用するのではないかと話題にもなった作品
でもある。

あらすじは、以下のようなもの。
韓国の情報部員ジュンウォン(ハン・ソッキュ)は多発する暗殺事件が、以前から
追っている北朝鮮の女スナイパー、イ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)が関わっている
とにらむ。そして調査をしている自分の命が狙われだした時、結婚の約束をしている
恋人の身を案じた彼は、彼女をホテルにかくまうのだが、止めていた酒を飲み始めたり、
泣き出したりする彼女の行動が何であるのか、わからず心を痛める。
また、驚異的な破壊力を誇る液体爆弾CTXが北朝鮮のスナイパーたちに強奪される。
北朝鮮のスナイパーたちの目的は、韓国との再戦争をした上での韓国との再統一
そして北朝鮮の政治家と韓国の政治家を招いたサッカー天覧試合の会場にCTX爆弾が
設置されるのだった。

さて感想である。
★以降、ネタバレしていきますよ★
この映画はスパイ攻防アクション&悲恋の物語である。
まずはアクションについてだが、アクションは、ひたすら銃撃戦!銃撃戦!爆発!
そして再び銃撃戦!という繰り返しである。ビルの中での打ち合いのシーンについては、
それなりに息をつかずに観ることができたのだが、街中の銃撃戦になると急に安っぽさが
見えるのはなぜだろう。通行人がキャーと叫んだ瞬間に、私は日本のTV番組、西部警察を
思い出さずにはいられない。(--;;) またCTXガスの強奪の後の車の爆破シーンは
仕掛けた爆薬の量が少なかったか?と思ったり、もう少しビルの爆破は、リアル感を出す
ことはできなかったのか?と思うほど、素人が見ても、粗が目立つ作りだった。よって、
一度目の鑑賞には、物語の筋を追うのが忙しいのと、粗があるのに、テンポが早い
アクションでお客さんは満足するかもしれないが、二度、三度のリピーター鑑賞になると
正直きつくなってくる。うーん・・アクションシーン、爆破シーンは、やはりハリウッドの
ほうが格が上だなと思った。

次に物語についてであるが、敵対するのは韓国の地で結婚の約束をした韓国の情報部員と
北朝鮮の女スナイパーである。韓国の情報部員ジュンウォンは、よもや彼女が情報部が追って
いる女スナイパー、イ・ミョンヒョンであるとは夢にも思っていない。女はジュンウォンが、
韓国の情報部員と知っていて、彼に近づいたのではあるが、恋に落ちてしまうという設定で、
それに絡めて、ジョンウォンの仕事仲間でもあるイ・ジャンギル(ソン・ガンホ)の友情と
女スナイパーのボス役、パク・ムヨン(チェ・ミンシク)が絡み、悲恋と友情、南北の攻防が
描かれることになる。
ジョンウォンと仕事仲間であるイ・ギャンギルが、攻防についての問題の提示、お互いが
北のスパイではないかと、疑いあい、盗聴器を仕掛けあったり、女スナイパーについての
考察や男の友情は、時間をかけて描かれており、無理がなく、客の中に届いてくると思う。
女スナイパーのボスであるパク・ムヨンについても鬱積したマイナスの感情やイカレきった
獰猛な計画の表現も悪くはないと思う。が、しかしこのボス、少々、敵となるジュンウォンに
自分の思いを語りすぎなような気もする。彼にとって自分を大事なのは北に対する反乱とも、
とられかねない計画の成功であって、自分の感情ではないはずなのに、ベラベラとよく語るの
である。もう少しセリフを抑えたほうが、彼の役は生きてきたのではなかろうか・・
次に悲恋の最期をとげるイ・ミョンヒョンと生き残るジュンウォンについてだが、
結婚も決まっているという設定から、今更お互いが深く思いやって語るシーンを多くしても、
仕方がないと監督が思ったのかもしれないが、もう少し二人の交流があってもよかったのでは
なかろうか?結局、ラスト近くに結婚を約束した者同士が、敵となり銃口を向け合い、
他の者の手にかかるのならば、自分の手で・・という男の想いと、銃殺されるのであれば
恋人の銃弾でと願う女の想いが、二人の全てになるのだが、そこに行き着くまでの布石が
アクションに誤魔化されてしまい、日常の交流が浅く描かれていたのは残念だった。

さて次に俳優たちの感想を書いておく。

まずは主役のジュンウォンを演じたハン・ソッキュ。特別なハンサムというわけでもなく、
日本で人気のある、韓国俳優独特な「俺って俳優」オーラのない稀な俳優さんだ。
このシュリに関しても、判断能力や情報部員としての仕事に私情をはさまぬ力量をもって
いながら、よもや自分の彼女がスナイパーであるとは思いもしない人として良い部分を
もちあわせた役を静かに好演している。この「シュリ」を観た後に、「8月のクリスマス」
という映画を観る機会があったが、俳優としての彼を観るのではなく、役としての彼を
私は観ていたように思う。韓流ファンの友達の話によると、最近はあまり脚本にめぐまれ
ておらず、日本では、あまりヒット作がないようだが、応援したい数少ない、
韓国の俳優さんである。

次、ジュンウォンの友人、イ・ギャンギルを演じたソン・ガンホ。
彼が出ている代表作は「JSA」ではなかろうか。とはいっても、この感想を書くために
検索をかけてわかったことなのであるが、「シュリ」にでている役と「JSA」(TVで
鑑賞したのみ)で北朝鮮の寡黙でやさしい心をもっている軍人さんが、同一人物とは
気づかなかった。友人の死という、映画にはよく付き物の役ではあるが、脇役と心得て
しっかりと演じてくれていると思う。

次、北朝鮮のスナイパーのボスを演じたチェ・ミンシク。
眼力と男くささが売りの俳優さんなのだろうか?
この映画でも、ただ一人、激しさと熱さ(暑さともとれる)を前面にだしている。
好き、嫌いがはっきり分かれる俳優さんだと思う。彼の代表作「オールドボーイ」が、
どんな作品でどのように演じているのかは、わからないが、「シュリ」では主役の次に
印象に残るのは確かである。良い人の役で一度、鑑賞してみたいと思った。

次、ジュンウォンの彼女、北朝鮮の女スナイパーを演じたキム・ユンジン。
凄腕の女スナイパーという売り込みの役なのであるが、結果的には拳銃数発で
敵を倒しました。といった扱いで銃器をかまえるシーンが多く、それも顔を意図的に
隠しているので、見せ場が少なく可哀想な限り。
下手な女優さんではないのだと思うが・・・恋人であるジョンウォンと互いに銃を向け合う
シーンの切なさ以外に、それほど語るべきところがないのが、残念である。
彼女のその後を検索で調べてみたが、あまり話題の映画には出ていないようである。
良い役にめぐりあって、頑張って欲しいものである。

では最後に全体的な感想を書いておこうか。
初めてこの「シュリ」を観たときには、韓国映画もなかなかヤルなぁ・・という感想を
持ったのだが、今回3度目の鑑賞を終えたときには、「こんなにアクションがチャチだったっけ?」
と首を傾けてしまうところが多々あった。
これは、多分、初見のときは物語の筋を追うのが忙しく、ところどころの粗に気づかぬまま
通りすぎていたせいなのだろう。物語が見えてしまえば、画面の作りに人間、目がいって
しまうのは仕方がない。アクションの壮大さは充分あるのだから、細かい粗をきちんと修正して
完成させて欲しかったというのが、正直な感想である。
とは言っても、この映画が哀しく、やりきれない話であることは間違いない。
「私はもう死んでしまったも同然なのです」というセリフと共に主人公の気持ちは、
充分感じることができるだろう。
一度は観ても損はない映画だし、一度目が一番楽しめる映画だと思う。
心を湿らせたい方にお薦めである。


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コメント 2

のんたん

試写会を妹と見に行ったんです。その時は面白かったし、迫力に押され
つつ、でもなんか納得できないねーって妹と言って帰ったんです。
まさしくまなてぃさんの言ってるとおりーって思います。あの後はテレビ
で見て、吹き替えのせいかなーとか思ったけれど。
ハン・ソッキュって素敵な俳優さんですね。あの当時は出る映画は
全て当たるっていう評判の人でしたよね。ほんと応援したいですね。
by のんたん (2006-07-21 01:28) 

まなてぃ

>のんたんさん、コメントありがとうございます。(^^)
そういえば、シュリの主人公の吹き替え声優は池田秀一さんでしたね。
この人の声を聞くと、私はガンダムのシャアを思い出してしまい、
TVで「シュリ」が放映されるたびに、「あ・・・シャア・・」と画面に
シャアの姿がチラついてしまい、映画にイマイチ集中しきれないん
ですよ。(^^;;)
ハン・ソッキュは素敵な俳優さんですよね。「シュリ」の時も、
これが、大人の魅力じゃ!(^г^)と喜んだのですが、その後、観た
「8月のクリスマス」での、暖かな演技は、とてもよかったですよ。
草葉の陰から応援したいですねぇ。(^m^)フフフ
by まなてぃ (2006-07-21 13:12) 

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