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ナイロビの蜂 [映画感想 な行]


The Constant Gardener






■2006.5.17(水) 本日の一言■

昨日は会社帰りに、映画「ナイロビの蜂」を観てきた。
映画の予告編を観る限り、夫と妻との思い、社会問題がミックス
された物語らしい・・

さて、手短にあらすじを紹介すると以下のようになる。
英国外務省職員のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、
アフリカ救済活動を行っているテッサ(レイチェル・ワイズ)と
外務省主催のプレゼンで知り合う。
テッサはアフリカの救済活動のためなら、大きな権力にもひるまない
勇ましい女性であったが、ジャスティンの穏やかな性格に魅かれたのか
あっという間に恋に落ち、結婚をする。
結婚後、妊娠。そして死産。それをきっかけにテッサは益々アフリカの
救援活動に力を注ぎ、ある日、大手製薬会社がアフリカにあるスラム病院で、
安全性不十分な薬を投与していることに気づき・・それを止めさせようと
調査をはじめ実態をレポートし、ジャスティンに知らせないまま英国外務省へ
提出する。そしてテッサはアフリカで事故死してしまう。
数々の疑問をジャスティンに残したまま・・・

★では以下から映画の感想に入る。ネタバレしますよ★

妻テッサの不可解な事故死から始まるこの映画は、テッサが追っていた
大手製薬会社と外務省の付着がどういったものであったのか?というジャスティンの
謎解きと貧困激しいアフリカの現実とジャスティンと妻との思い出&回顧シーンと
いう三本柱に2時間弱をかけぬけで観せていった。

まず一本目の柱となる、謎解きの面で思ったことは、以下のようになる。
私としては、テッサが夫に危害を及ぼしたくはないという理由で、
内密に調べていた大手製薬会社と外務省の付着の謎解きが、もっと難解で
それを追うジャスティンの調査が手に汗握るものなのかと思っていたのだが、
思いの他、その調査がそれほど時間もかからず、あっけなくその付着ぶりが
次々と明るみになってゆくのには少々、拍子抜けがした感じがした。
また英国外務省の外務調査官が内密にしていたい問題をいとも簡単にペラペラと
話したりバラしたりする様にオーイこれは重要機密なんじゃないんですかぁ?
とかなり首を傾げた。(ーー;)

二本目の柱となるアフリカの実情の映像の感想であるが、これは1980年代後半
頃からよく話題に上り、TVニュースでも報道されていた。そしてまた再び
映画としてその実像を観たわけだが映像は大変失礼ながら見慣れたものであった。
あれから約20年が経過しているのだが、スラム化した街の人だかりの威圧感、
貧困、不衛生ぶり、病気の蔓延、略奪などが収まる気配がない。
まるで砂漠に水をまくような感じといえばいいだろうか?
80年代後半に世界がアフリカに目をむけ、善意を雨のように降らせたはずなのに
その結果が著しくなく思わず溜息がでた(;;)

そして三本目の柱になるのが、この映画の大半をつぎこんで描いた、
妻を亡くした夫の思いである。ジャスティンは妻を愛していた。
それはわかる。何度もでてくる妻の笑顔、妻の姿に思いをはせる悲しみも
つらかろう。しかし私からみれば、妻の追っていた問題をほじくり返し、
自分を追われる身になり、「危険だから止めろ」と言われているのに、
意味もなく猛進して殺されてしまうことをテッサは望んだだろうか?
私は女であるので、テッサの立場でつい映画を見てしまうのであるが、
夫に危害が加わって欲しくない、守りたいが故に全て極秘で動き、結果、
自分が死んでしまったなら、夫には何がなんでも生きていて欲しいし、
できるなら、英国外務省職員の立場を利用して出世でもして、
自分(テッサ)の意思をつぎ、アフリカ救済の仕事を少しずつでも進めて
欲しいと願うだろう。ただしジャスティンは最後の抵抗として、彼の葬儀の場で、
生前のうちに親戚宛に書いた、製薬会社と外務省の癒着の手紙が公表されて
大騒ぎになるが、たったこれだけで、この事件が解決してしまうのか・・
は疑問である。
正直、純粋といえばジャスティンは純粋だが、もう少しずる賢くなって
生き抜いてもよかったのでは・・と私は思う。

全体の感想としては、映画には引き込まれた、あっという間の2時間である。
なんのかんのと、この映画は社会派的な問題やら謎ときなど前置きはしたものの
一番いいたかったことは、ジャスティンの悲しい思い。
ただそれだけであったのかもしれない。


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コメント 6

こんばんは。夫のジャスティンがあまりに純粋というか無知というか・・・(笑)。あれだけ自分の妻が怪しい行動をとっていたら、私なら絶対問い詰めますけど。まあ、妻を亡くした後に、彼女の大切さを再認識して、事件に立ち向かう姿は素敵でしたね。それにしてもアフリカの絵が綺麗だった。
by (2006-05-17 19:19) 

まなてぃ

katoyasuさんこんばんは。Nice&コメント&TB、ありがとうございます。
私もテッサが疲れ果て剣幕を変えて調べ物をしているのをジャスティンが、少々様子がおかしいと思っている回顧シーンの時、
「死ぬ前にどーして女房を問い詰めんかな?あんた夫だろぉー!その権利があるんだよぉ」(><)と心の中でバタつきましたよ。(笑)
アフリカの鳥たちが水辺のそば、夕暮れの中で飛ぶシーンは心に残りましたよ。陰謀と切ない話の狭間にあるシーンだから尚いっそう綺麗に見えましたね。
by まなてぃ (2006-05-18 00:08) 

TB返し、ありがとございます。
>映画には引き込まれた、あっという間の2時間である。
ほんと、あっという間の2時間ですよね。
ページ数の多い原作を、よくココまで絞れたなと思うと、
監督の手腕には脱帽でした。
by (2006-05-18 13:15) 

まなてぃ

おりょんさん、コメントありがとうございます。
原作が上下巻あるとは知らず、その長さを思えば
2時間でしぼるのは相当な技量がいると思いますね。
またそちらにも伺います。お互いこれからも
良い映画にめぐりあいたいですね。
by まなてぃ (2006-05-21 02:02) 

kenta-ok

私も昨日、機内で見ました。★★★★
社会派というよりも、それを題材にした愛の物語という印象を受けました。
by kenta-ok (2006-05-21 10:53) 

まなてぃ

kenta-okさん、はじめまして、Nice&コメントありがとうございます。(^^)
愛の物語そのものでしたね。
でも両方とも死んでしまったら、おしまいじゃない。私としては、どちらか生き延びて欲しかったですね。(TT)
by まなてぃ (2006-05-21 21:45) 

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