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かいじゅうたちがいるところ [映画感想 か行]

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映画タイトル:かいじゅうたちのいるところ (字幕版)
初公開年月 :2010/01/15
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:スパイク・ジョーンズ デイヴ・エッガース
出演:マックス・レコーズ   キャサリン・キーナー
 マーク・ラファロ 他

あらすじ<映画ONLINE参照>
やんちゃな8歳の少年マックスは、シングルマザーの母と姉との3人暮らし。
最近、姉も母もかまってくれず寂しさがつのるマックス。
ある日、大好きなオオカミの着ぐるみを着て悪さをしていたマックスは、
ついに母を激怒させてしまう。




自分の気持ちを分かってくれない悔しさから、マックスはそのまま家を
飛び出してしまう。
無我夢中のままボートに乗り込み、大海原へとこぎ出してしまったマックスは、
やがてどこかの島へとたどり着く。
なんとそこには、大きな体をした不思議なかいじゅうたちがいっぱいいた。
そして、ひょんな成り行きから王様として迎えられたマックス。
さっそく、みんなが幸せになれる王国づくりに乗り出すのだったが…。

※以下からネタバレありです。※

■2010.01.17(日) 本日の一言■

さて。本日の映画のレビューのお題は『かいじゅうたちのいるところ』。

この映画の原本は児童読み物として、絵本で出版されていて、かなり有名な本らしい。(^^;)
ところが私は、この絵本の存在を知らなかったし・・
映画にならなかったら、知らないままで終わっていたと思う。

物語は、シングルマザーで忙しい母や、自分の友だちと付き合うことで手一杯の姉が
ちーとも自分に振り向いてくれないこと・・に腹をたてた男の子マックスが家を飛び出し、
船をこぎだし海をわたり、かいじゅうたちのいる島に辿り着き・・
かいじゅうたちの王様に担ぎ上げられ、マックスは王様として、
かいじゅたちの幸せのために(子供なりの)奮闘をする!という
わかりやすい!お話。

下の写真の左:主人公の男の子マックス。寂しさから癇の強い子供になってる。
で、右が、かいじゅうの仲間うちで、やはり寂しさから癇の強い、かいじゅう
暴れん坊のキャロルですな。

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そして癇の強いモノ同士が繰り出す大騒ぎに、実は付き合わされるハメに陥る、
ひかくてき大人なかいじゅうたち。

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キャロルよりは大人かもしれないけれど・・クセモノぞろい。(^^;;)

成り行きでなった王様マックスが、
成り行きで かいじゅうたちのためにやらねばならなくなったことは、
みんなで仲良く重なり合って眠る場所を作ること。

そして

群れから離れている、かいじゅうKWとキャロルの仲直り・・といったところだろう。

下の写真の彼女が、かいじゅうのKW。
問題児かいじゅうのキャロルも彼女が大好き!

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彼女はいいキャラをしている。映画を観た人でKWを嫌いな人って
いないんじゃあないかな。

で、私が思うに、この映画は観ている人たちが
マックスと かいじゅうたちが奮闘するさまを応援することができるか・・どうかで、
楽しめるかが、決まるような気がしたなぁ。

キャロルとマックスが仲良くなるくだりは微笑ましい。
性格や趣向がにている このふたり。
仲良くなるのが早いのも当然のことだろう。

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そして、みんなで重なりあって暮らす家を共に力を合わせて建てるあたりまでは
私も応援するぜ!と、物語とマックスに同期して楽しくみれた。

しかしその後は、私は あまり楽しくなかったなぁ。・・
彼を応援したいのは、やまやまだけれども、やはり子供の王様だから、
当然、かいじゅうたち同士を仲良くさせる方法が、無邪気な思いつきだけになる。
それがあられもなくスクリーンに流れ出すのだ。

マックスが、かいじゅう同士の仲違いを仲裁するために、
「戦争ごっこを全員でやる!」と宣言し
「泥ダンゴをお互いに投げあう!」とルールを説明!(><)
「君は敵」
「僕と彼は味方」と かいじゅうたちに指示をだしたあたりから、
もう自分の大人目線が止まらなくなってしまいましたがな。(--)

ケガ人でたら!どーーーすんねん!(`□´)コラッ!

そして・・やっぱりケガをする かいじゅうが登場。
彼(かいじゅうのほうだね。)が気の毒で・・私の顔は冴えなくなった。

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おまけに、かいじゅうたちの ズルさ みたいなものも、
負傷した彼の口からマックスに告げられるもんだから、

ここで、もっと私は浮かない気分になった。(--)

この映画は

子供が島にいって、かいじゅうたちと楽しく生活した話というより、

どちらかといえば・・

子供が島にいって、かいじゅうたちを混乱に巻き込んだ話なのか・・

と、私はグルグルと目がまわりそうだった!(◎◎)

しかし映画は、どんどんと暗い影を落としだす。
キャロルの凶暴さは、かいじゅうだから・・とか、子供だから・・
じゃあ済まない感じがするんだよねぇ。

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この写真の左にいる、鳥の形をした かいじゅうなんざ、
凶暴化したキャロルに右の翼(腕だよね・・人間でいうところの)を
もがれちゃったりしてるから、

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この右の翼をもがれた、かいじゅうはこの先、永遠に左の翼だけで
生活していくのか・・(妙な心配なのですが・・)と思うせいで

かいじゅうたちと、マックスの涙の お別れのシーンに思い入れ深く
自分が入れなくなってしまっていたのだ。

マックスはいい立場だな・・。(--)
お家に帰って、心配しているママに甘えりゃあ、いーんだもの。

しかし、ケガをした かいじゅう、や、翼をもがれた かいじゅうは、どうなんだ・・
彼らに気の毒なことをした・・という悔いるような気持ちは、
マックスが持ち合わせることはないんだろうなぁ・・

直接、自分が手をくだしているわけではないから、罪の意識はないだろうしねぇ。・・

それを証明するように、マックスはママのところへ帰り、ゴハンをガツガツ食べて、
行方不明になっていた息子を心配しすぎて疲れ果て、横で居眠りをするママの顔を見て、
マックスが微笑する・・・。で、この映画は終わっているのだから。

ねぇ・・どうなんだろぉ・・この終わり・・(ため息)
いーんだか・・悪いんだか・・不思議な映画だったなぁ・・と
エンディングロールをみながら、本当に思った。

単純に観ていて楽しい!だけではないし
子供向け?にしては、苦々しいところも沢山ある・・

複雑な味わいのする、児童読み物映画なので、
誰にでも、子供でも楽しくみれてお薦め!というのとは、
ちょっと違うような気がした。
原作は児童読み物なのに・・そう感じてしまうのが、不思議だなぁ。

ディズニーとかでは、物足りない!と思うような、
玄人好みのかた向けではないかと。

興味があれば、観てもいいのではないかと思います。

最後に宣伝。

原作の絵本です。
けっこう評価が高い。読んでみてもいいかもしれないですね。


かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ

  • 作者: モーリス・センダック
  • 出版社/メーカー: 冨山房
  • 発売日: 1975/01
  • メディア: 大型本



サントラもなかなか。秀逸。
2曲目のAll Is Love は耳にいつまでも残る。

Where the Wild Things Are

Where the Wild Things Are

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Interscope Records
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: CD



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コメント 15

movielover

はじめまして。
トラックバックさせていただきました。

子供向けのように作ってありながら、実はブラックな部分もあって…。
基本的には原作に忠実ですが、
やっぱりスパイク・ジョーンズらしい色も付いていると思います。
原作の方がシンプルな分、ブラックな部分もストレートな気がします。
原作のアニメバージョンの画像もリンクしてるので、良かったら観てみてください。
by movielover (2010-01-17 00:39) 

まなてぃ

movieloverさん、はじめまして。
ご訪問&nice&コメント、おまけにトラックバックまで
ありがとうございました。

この映画は、私にとって複雑な味わいのする映画でした。
映画の冒頭こそ、子供向けの映画のように作ってありましたが、
その実、物語が進むにつれて、暗雲立ち込め、ダークな事柄が満載!

いやはや・・子供向け!のつもりが、度肝をぬかれましたね。
妙な苦味がいつまでも残り、私にとっては忘れない作品になると思います。

by まなてぃ (2010-01-17 14:31) 

aneurysm

こんにちわ。

>子供向け?にしては、苦々しいところも沢山ある・・

子供のやった事では済まされない事もありますし、
ヴァーチャルな絵本や映画で苦々しい体験は
良いことだと思います。


と単純思考のコメントで失礼しました<(__)>

by aneurysm (2010-01-17 19:16) 

まなてぃ

aneurysmさん、ご訪問&nice&コメントどうもありがとう。

なるほどねぇ・・確かにヴァーチャルですもんねぇ。(笑)

この映画を観た子供の感想も、聞いてみたいと
ハタと思いましたね。
by まなてぃ (2010-01-18 20:16) 

まなてぃ

disneyworldさん、ご訪問&niceどうもありがとうございましたぁ。(^^)
by まなてぃ (2010-01-18 20:17) 

まなてぃ

komoさん、いつも、ご訪問&niceどうもありがとう。(^^)
by まなてぃ (2010-01-22 09:03) 

ジジョ

こんにちは☆
まなてぃさんはイマイチでしたか、、^^;
確かに子供向けでは無い部分たくさんありましたよね。
私は、マックスとかお母さんとかかいじゅうとかの
不器用さが、たまらなく切なくて愛おしかったデス☆
by ジジョ (2010-01-23 09:41) 

まなてぃ

ジジョさん、おはようございまーす。(^^)
ご訪問、nice&コメントどうもありがとう。

予告編を観て、子供向け映画!(単純に楽しくて、ちょっと哀しい・・)と
軽い気持ちで観ていたので、終わってビックリ!(◎◎)というのが
正直なところですね。

ジジョさんのいうとおり、この映画のテーマは不器用さなのかも
しれないですね。
言葉に・・行動にうまくできない、誰もが一度は抱える不器用さ・・
みたいなものが満載された映画。

いやはや・・その不器用さが、えらい苦味を映画に効かしてくれて、

だから鑑賞がおわったら、これは、アウアウ・・子供向けじゃあないよねぇ・・
大人が感じる痛みのほうが、大きいじゃねぇかぁ・・ワーン(><)

という感想を持ったのでしょうね。

ここまでやったんだから、マックスには、痛みのわかる
大人に育って欲しいですねぇ。オイオイ(笑)
by まなてぃ (2010-01-23 10:03) 

まなてぃ

shinさん、はじめまして。ご訪問、nice、どうもありがとう。(^^)
by まなてぃ (2010-01-25 20:59) 

まなてぃ

ダイス・ベイダーさん、はじめまして。ご訪問、nice、どうもありがとう。(^^)
by まなてぃ (2010-01-25 21:00) 

yuichiroyu

こんばんは。予告編が魅力的で気になって、まずは絵本を見たんですが、文章がほとんどなく、読み手に想像させるようなストーリーでした。その結果、見に行くまで至らなかった映画です。。。ラストは、絵本と違うのか気になります。レンタルで確認してみます!
by yuichiroyu (2010-02-15 23:30) 

まなてぃ

yuichiroyu さん、こんにちは。(^^)
コメントどうもありがとう。

実は私はまだ絵本のほうが未読なんですよ。(^^;)

映画のほうは、子供モノといえども、なかなか奥の深い内容で、
私は途中から、ビターな気分になりましたねぇ。

玄人好みの子供映画?という感じですが、
DVDでぜひ!観てみてくださいねっ♪
by まなてぃ (2010-02-16 17:49) 

まなてぃ

suzuranさんnice&ご訪問どうもありがとう。(^^)
by まなてぃ (2010-02-16 17:50) 

komadamu

絵本の英語版、日本語版とも持っているくらい「かいじゅう〜」が大好きなんですが、かいじゅうたちが絵本から抜け出したみたいですごいなぁと。でもストーリーの世界観は微妙に違う様な気がして、映画は映画として楽しみました。個人的にはヤギっぽいかいじゅうのアレクサンダーのファンになりました♪
by komadamu (2010-05-19 22:21) 

まなてぃ

komadamu さん、はじめまして。(^^)
nice&コメントどうもありがとうございます。

>かいじゅうたちが絵本から抜け出したみたいですごいなぁと。

すごかったですね。あれ・・CGじゃなくて着ぐるみなんだそうですよ。
着ているひとたちは、とても大変だったでしょうね。

>個人的にはヤギっぽいかいじゅうのアレクサンダーのファンになりました♪

あ!私もヤギがいちばんいいな!と次に腕をもがれたトリがよかった。
と脇役一直線で観ました。

今、思いおこすと、キャラクターてきには、決してキライな映画では
なかったんだなぁ・・とかね。思いました。

しかし主人公の子供はやっぱり苦手かなぁ。(^^;)



by まなてぃ (2010-05-20 00:40) 

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