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パブリック・エネミーズ [映画感想 は行]

334507_02_01_02.jpg映画タイトル:パブリック・エネミーズ
初公開年月 :2009.12.12
監督:マイケル・マン
脚本:ロナン・ベネット アン・ビダーマン マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ クリスチャン・ベイル マリオン・コティヤール 他

<映画ONLINE参照>
大恐慌時代。
貧困に苦しむ民衆は、汚い金が眠る銀行だけを標的に大胆不敵な手口で
金を奪う世紀の銀行強盗、ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)に喝采を送っていた。
そんな中、神秘的な美女ビリー・フレシェットと出会い、一瞬で恋に落ちるデリンジャー。
一方、フーバー長官はデリンジャーを“社会の敵(パブリック・エネミー)No.1”と呼び、
その逮捕に全力を挙げていく。
そしてメルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベイル)を抜擢し捜査の陣頭指揮に
当たらせるが…。

※こっから完全にネタバレしていきます。※
■2009.12.16(水) 本日の一言■

本日の映画レビューのお題は、ジョニー・デップ主演で話題の『パブリック・エネミーズ』。

ジョニー・デップとしては、極端なメイクもコスプレもない!硬派?な作品の出演。
これを見逃す手はないだろうと、鑑賞してきた。以下から感想である。

さて。映画のスタートはジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)が、投獄された
銀行強盗仲間を脱獄させるシーンから始まる。
それは今のような最新IT機器で管理されるような現代の牢獄ではなく、
分厚い鉄板の扉、重く固そうな鍵で管理された1930年代の大恐慌のアメリカ仕様の牢獄だ。

スピードと手際のよさだけで、仲間を次々と逃がすデリンジャー。
何事もなく手はずどおり牢獄の最後に向かおうとしたとき、デリンジャーの仲間の一人が、
看守と揉み合いになり看守を銃で撃ち殺してしまうのだ。
サイレンの鳴り響く刑務所。デリンジャーは仲間全員を脱獄させるはずだったのだが、
負傷をし、車に乗り込みきれなかった仲間を見殺しにして、車を走らせ続けることしか
できなかった。
仲間を見殺しにしてしまった。その怒りは看守を銃で撃ち殺した仲間に向けられた。
ジョン・デリンジャーはミスをした男をボコボコにすると、車から投げ落とし、
そのまま無情にも走り去るのである。

ウーーーン初っ端から緊張する連続で、私は息を潜めてスクリーンに向かいましたがな。(^^;)
いやはや。今回の作品、けっこう硬派でじゃないのっ・・ジョニー。
男気あふれているようだし、なおかつ!残忍な役どころ。
私てきにはイヒヒでございますよ。(^m^)

で、そういった友情?をもつ男気!溢れる格好いいところを冒頭で見せ付けたあと
いよいよジョン・デリンジャーの本業である銀行強盗の成功例が、
スクリーンに映し出されるわけだが、

まぁ・・ここで映画の予告編でもよくお見かけした

銀行の金は盗むが、貧乏人の庶民からの金は決して手はださねぇよ( ̄ー ̄o) フッ・・
と銀行の金庫の金は奪うが、銀行にきていた客の金は奪わない・・。

paburikcenemi-zu0000.jpg

っちゅうのが流れるんだねぇ。
いやはや・・銀行強盗のくせに格好つけすぎじゃあないの!( ̄∇ ̄;) ハッハッハッ と、
私はちょいと笑ってしまいましたな。
だって金庫にある金だって、庶民が預けたものもあるかも?じゃない(笑)
金庫にある金すべてが汚れた金という証拠がどこにあるんじゃ?とか・・
少々、突っ込みをいれてみたくなったりもするのだ。

思うにこの映画は、観客がどこまでジョン・デリンジャーという銀行強盗を
どんなことをしたって!格好いい!許せてしまう!彼に同情しちゃうわぁ!という、
贔屓目に見れるかによって、こうハラハラ度が変わってくるような気がする。

映画にでてくるジョン・デリンジャーは、ジョニー・デップが演じているから
もちろん格好いいんだよねぇ。

オーラもバリバリで、うっとり!だし・・(^^)

334507_01_01_02.jpg

ジョン・デリンジャーが一目ぼれをした美女、ビリーを口説くのもお上手。


「俺の好きなものは野球、映画・・そして君 一緒に来るかい?」
(ジョニー・デップが言うセリフだから許せる口説き文句(笑))

「いくわ」

334507_01_02_02.jpg

行け!行け!いっちまえぇえええええ!凸(^▽^) ハハハハハハハハハ!
私、このシーンで、スクリーンに向かって、心の中で大きく叫びましたがな。

しかし、やはりホンモノのジョン・デリンジャーは、当然のことながら
ジョニーのようにオーラがあるわけではない。

今回、私はこの映画を観るにあたって、ジョン・デリンジャーについて
アレコレと穿り返して調べたりしていたのだ。
(まぁ・・それほど楽しみにしていたと言ってもいいのだけれども)

アメリカの大恐慌、時代背景を知るくらいで止めときゃよかった。
ジョン・デリンジャー自身のことは調べなきゃよかった・・と後悔。

ホンモノのジョン・デリンジャーはやっぱり犯罪者で、
顔も犯罪者なんだよねぇ。(--)ウーン当然といえば当然か。


366px-John_Dillinger_mug_shot.jpgコレがホンモノです。

これを映画鑑賞数日前に、Wikipediaで見たときは・・
うわーーーーー!これは、いかん!あかん!(><)
いくら世間がヒーロー扱いしたって、これは犯罪者の人相!
やっぱり彼は犯罪者だぁ!orz...と・・打ちのめされましたな。(涙)

たぶん30歳くらいの写真だろうと思われるが、えらい老けてるし!
当然のことながら、柄の悪そうな、おっちゃんですがな!
酒臭そうな感じさえする。

この写真を見てしまっているせいで、
どうにも映画のジョン・デリンジャーに己の思い入れ!
肩入れに力がはいらないのだ。
たとえば、この犯罪者顔で

「俺の好きなものは野球、映画・・そして君
一緒に来るかい?」  と、

口説かれても、正直トキメカンだろぉお?どう思う? (^^;)ネェ。


そうなってくると、デリンジャーを逮捕すべく彼を追っている
クリスチャン・ベイルが演じる捜査官メルヴィン・パーヴィスに、
気持ちが傾いたりして・・こっちは、正真正銘の正義!だし。(笑)

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やっぱり銀行強盗はよくないんだよ・・とか、自分に言い訳しつつ
クリスチャン・ベイルもといメルヴィン・パーヴィス応援してしまう!(^^;)

映画では主人公である、デリンジャーに出し抜かれたりすることが多く、
なかなか華々しい活躍をスクリーンで見せられないのだけれども、
物語の後半には、彼がデリンジャーの恋人であるビリーに対しても、
紳士的な男であったことが提示されて、地味ながらもおいしい役どころである。

映画はこうして、逃亡するデリンジャーと彼を追うパーヴィスの攻防に、
重点が置かれるので、全体的に暗くて重い。
また彼らの逃亡や銃撃戦もリアル感をだすために、どうしても夜がメインになるので、
銃撃戦の音こそは、マイケル・マン監督独特のズギャギャギャダダダダダダっ!という
迫力あるものが楽しめるが、映像てきには常に暗くて単調な感じを受ける。

まぁね・・
ギャングの生活は意外に地味なのかもしれない。
まず明るい屋外でピクニック!なんぞはできないだろうし・・
彼女と暖かな部屋で平穏な生活・・老後を迎えました・・
なーんてものは存在しないんだろうな・・

常に指名手配犯人で、ギャングをしたら最後、
おたずねモノで逃げながら、生きていかねばならないし、
デリンジャーは恋人にむかって「愛する女を必ず!守る」
などと言ってはばからないけれども、

334507view004.jpg

デリンジャーはギャング稼業をやめる気は毛頭ない。
当然、愛する女を守る・・ことと、ギャング稼業との両立できるはずがないのだ。
哀れ・・彼女はデリンジャーのメッセンジャー役を受けて、でかけた先で
警察に逮捕されてしまう。

やがて彼のギャング稼業もパーヴィスの捜査網のしめつけで
うまくいかなくなり、

334507view008.jpg

銃(武器)や医薬品の調達係だった仲間が次々と裏切りだして、
そういったモノも、ままならなくなる。
(この医薬品の調達というのは、今までのギャング映画で見たことがなかったけれども、
言われてみれば、なるほど必需品!なわけで、リアルで新鮮だったなぁ。(^^))

とにかく、映画の後半に描かれるデリンジャーは(ジョニー・デップが好む)
負け犬男の街道を華々しさもなく、地味ぃーに!着々と転がり落ち、
追い詰められ・・そしてデリンジャーの迎える最期は?・・
というのが、この映画の絶頂なのだがぁ・・・

そのデリンジャーが迎える最期のシーンですら、事実にのっとり
パーヴィスたちが彼を待ち伏せ・・銃撃の末に彼は死を迎えることになるのだが、
映画にすると、こうも地味になるのかな?と思わせるくらい、華がなかった。

ただデリンジャーが最期を迎えたことによって、
映像の中に常にあった緊張感だけが、ゆるゆると溶けて、
私はデリンジャーが死んで、気の毒というよりも安堵感にホッとしていた。
あーーーやれやれ!終わったかぁ・・という伸びをしたいような気分である。

で、映画的に面白かった?と聞かれたら・・
ちょっと答えに困る。(汗)

一言でいえば、映画の終わりにくるのは、
ただ!ただ!開放感のみ!のような気がする。(笑)


だからどうだろう・・
ジョニー・デップが主役を張っていなかったら、
ここまでプロモーションしてもらえたかなぁ・・という感じもするし、

これ・・たとえば、クリスチャン・ベイルがデリンジャーの役を演じ、
捜査官のほうをジョニー・デップが演じても、物語の出来に大きな違いは
なかったんじゃないかなぁ・・という気もするのだ。

シンプルに強盗の史実を映画にした作品なので、
華々しさはかけるけれども、それでもいい!
ジョニーが観たい!
マイケル・マン監督の銃撃戦の音が好き! 

という方にはお薦めな映画じゃないかと思われまする。

では最後に宣伝。

BGMなかなか渋かったですねぇ。
映画のエンディングで鍵になるセリフに使われる、
『Bye Bye Blackbird』 は大人の味わいですな。(^^)


映画「パブリック・エネミーズ」オリジナル・サウンドトラック

映画「パブリック・エネミーズ」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,ザ・ブルース・ファウラー・ビッグ・バンド
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: CD



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まなてぃ

komoさんnice&ご訪問どうもありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2010-01-11 16:15) 

まなてぃ

yuichiroyuさん、お久しぶりです。♪
nice&ご訪問どうもありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2010-01-11 16:16) 

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