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プロテージ 偽りの絆 [映画感想 は行]

monto000.jpg映画タイトル:プロテージ/偽りの絆(門徒 PROTEGE)
初公開年月 :2007(日本では未公開)
監督:イー・トンシン
脚本:イー・トンシン
出演:アンディ・ラウ ダニエル・ウー アニタ・ユン 
   ルイス・クー  チャン・チンチュー 他

<あらすじ:Amazon参照>
香港の麻薬市場の半分を牛耳るクァン(アンディ・ラウ)の元で、
7年間潜入捜査を続けるニック(ダニエル・ウー)。
病にかかっているクァンは、身重の妻(アニタ・ユン)や
病気がちな娘のことを思案し、ニックを後継者に育てようとしていた。
ニックの部屋の前に住む、フェン(チャン・チンチュー)とその娘ジンジンは
頼れる人が全くいない。




そんな2人を見兼ねたニックは、親娘を気遣い食事を幇助し、
徐々に距離を縮めていく。そんなフェンの腕に醜い注射痕が。
麻薬をやめさせようと尽力するニックの前に、フェンの前夫が現れる。
麻薬から足を洗おうとするフェンに、麻薬漬けの日々に舞い戻らせようとつきまとう前夫。
そんな中、少しずつ麻薬密売の真相に近づいていくにつれ、
クァンの絶対的信頼に対する自分の裏切りや、麻薬を取り巻く真実に、
少しずつ分からなくなっていくニック。 麻薬の真実が今暴かれる―


※以下からネタバレ必須です。※

■2009.12.05(土) 本日の一言■

久しぶりのブログである。
週に1回は映画を観て!そして感想をアップしたい!と思っているのだが、
この1ヶ月、少し日々が忙しくなったな・・と感じた途端に歯茎を腫らして、
顔の左半分を別人にかえてマスク生活。まったくもって、トホホである。orz…

それで、やっとといおうか、・・完治とまではいかないけれども、なんとか痛みからは
解放されたので、久しぶりにTUTAYAにでかけてDVDをレンタルしてきた。
それが今回のお題、『プロテージ/偽りの絆』だ。

この映画は日本では正式に公開されてはいない。が、
私は香港映画通の友人から、ちょくちょく噂は流れてきていた。
映画の正式なタイトルは『門徒』。
(願わくば私としては、このタイトルのままDVDにして欲しかった。)
2007年に香港で公開され、新たな視線で麻薬犯罪を描いた生々しい作品で
話題になった・・やら・・
アンディ・ラウはこの作品で、珍しくも悪役を演じて、
第27回(2008年)「香港電影金像奨」で最優秀助演男優賞を受賞したとか、

またレオナルド・ディカプリオが、この作品をひじょうに気にいり
ハリウッドリメイク権を獲得した・・(マジかいな・・)だの・・
こうした華々しいお話の数々。

しかしこうした華々しい話題とは裏腹に、日本で正式な上映はされず、
あー・・こりゃもう観ることはできないかもしれないな・・と思いだした矢先に、
DVD発売である。
これはもう!みるっきゃないでしょう。(^▽^)
好物俳優アンディも出演しているし・・期待はいやおうなく高まりますがな。d( ̄∇ ̄)゙ネッ!!

では感想である。

実のところ映画のタイトルに『偽りの絆』などという文字が躍っていたので、
私は、潜入捜査官のニック(ダニエル・ウー)と麻薬王のクァン(アンディ・ラウ)の
敵対するもの同士の友情!(^^;)が描かれるのだと勝手に予測をたてていたのだが、
実際は物語は潜入捜査官ニック(ダニエル・ウー)は、香港の麻薬市場の半分を
牛耳るクァン(アンディ・ラウ)の信頼を得ている状態から始まっている。

ついでにニックはクァンに対して、忠誠心を示すことがあっても、
彼が犯罪者である。・・ということを決してニックは忘れてはいない・・し、
クァンもニックをことのほか信頼し重宝がって部下として使ってはいるが、
いつ彼が自分を裏切るかは、わからない・・といった疑惑の目は常に向けている・・
スタートだった。

二人には絆や友情・・なんてものはないのだ。これはもうビジネスの関係だ。
というわけで、早々に私の鑑賞前の予想はみごとに外されることに。( ̄▽ ̄;)(汗)

じゃあこの映画は、この先、二人の友情ではなく、何を軸に描いていくのかといえば、
二つあると思う。
一つは潜入捜査官ニックが目の当たりにする、一般市民の麻薬被害の実態・・と
二つめは、麻薬王のクァンの背後にある組織化された麻薬の実態・・といったところだろう。

一つめの一般市民の麻薬被害については、ニックが暮らしているボロアパートから語られる。
アパートは見るからに薄暗く不衛生であり、ワケあり住人たちが蠢いているのが
見えるようだった。
貧乏や貧困と言う言葉も、最近の日本ではよく聞くようになったけれども、
その貧乏とはランクが違うように思う。日々の食事ですら事欠き、
女の収入の糧は売春しかなく、男は怪しげな商売に手を染めている・・といった
巣窟のような場所だ。

そういった場所でニックは同じ階に暮らす、売春で身をたてるフェン(チャン・チンチュー)と
その娘ジンジンと知り合い、彼は餓えに苦しむ親子を見捨てることができず、
食料や金などを提供することになるのだが、このフェンという女が素人目の私ですら、
あんた・・クスリをやっているね・・(--)という露骨な痩せ方や目つきで登場するのだ。

そのために、この後に続く、スクリーンに露わとなる麻薬の妖しいシーン・・
彼女が実はジャンキーで、麻薬を打ったあと半寝惚けのニックと情事を愉しむ?のだが、
もう既に彼女がヤク中患者だとにおわせている時点で、私の中では衝撃度が薄らいで
しまったような感じで・・

あーーー・・もしこれが観るからにクスリとは無縁に見える清純そうな女が、
震える手で、それでも手際よく打つ準備を始めて、打った挙句に、
掠れた声、濡れた瞳・・と、きたら、それはそれはもっとスゴイ!衝撃度が
あるのになぁ・・という気分なのだ。


ついでに、激しい?情事後に「クスリをやっているな」とフェンを押しのける
ニックの怒りのようなものも、私にしてみると、あんた彼女の容姿をみれば、
この女がクスリをやっていそうなことくらい、捜査官なんだから、
わかりそうなもんではぁ?(--;)という妙な片手おち感を覚える。

それは、この映画の物語の一つの軸となる麻薬王のクァン側にも
似たような感じを受けることがあった。

クァン側で語られることの見所は、クアンとニックの人間模様というよりは、
香港に流れてくる麻薬が、いかなるルートを辿り香港に入り、
どのような人間の手によって精製され、販売される形となるか・・という
麻薬の道筋だと思う。
素人にはあまりなじみのない麻薬に関する隠語はバンバン発せられるし、
いくらプロとはいえども、麻薬をうまく販売するまでの型に固めるのは苦労がいるのだの・・
そういった玄人なりの苦労というものを表現している麻薬映画は、私にとっては新鮮だった。
麻薬に関する下世話なシーンに関して、手に汗を握って私はハラハラしながら観ている。

まるで自分が精製がうまくいかない!と焦っているクアンに雇われた精製人のような気持ちを
共に味わったりね。
ついでに警察に精製場所を突き止められ、なんとか証拠を隠滅してここから逃げなくては!
と焦る気分も味わった。私は売人でもなんでもないのに!だ。(笑)
とにかくそういう麻薬に関することは、本当に生々しくて、おぉおおおお!(◎◎)という感じだし、
妙に楽しいのだが・・

しかしねぇ、その反面で演じる俳優さんたちの衣装とか、立ち振る舞いとか、が、
あまりにも警察ドラマっぽいベタさを感じるのだ。
現場に乗り込んでくるアホな上司というのは、お約束すぎる。
また、麻薬モノにありがちな、目の下に薄黒いクマを作り、ヘベレケ・・になり、
ただ震えている演技さえしていれば、すべてOKなのか?
ここまで麻薬を生々しく描いたのならば、1つ1つの役どころの設定、演出にも
細かく配慮する!っちゅうことが必要なのではないかなぁ・・。

だから映画を観ている間、私は物語に夢中になっているときと、
うーーん!これはベタすぎる!の間を行ったりきたりして、

どっぷり!とこの世界にはまりきれないのだ。
もどかしいなぁ!じれったいなぁ!(><)クゥウウウ!

あと気になったことといえば、アンディ・ラウの演技である。

彼の演じるクァンという男は先天性の腎炎で、糖尿病も併発している。
髪も病のために白髪交じりで、尿の出も悪い。
実際、映画の冒頭にはトイレにいったはものの、うまく排尿ができず
部下のニックの手助けを借りて、やっとの思いで排尿をするような状態なのだ。

そんな男が、この映画の中盤から後半にかけては、病とは思えぬタイへの大旅行を決行し
もう大活躍ですがな。(^^;)オイオイ
まぁ映画の途中から、クァンは本当に病気なのかい?と思うところは多々ありましたがぁ・・
病で腰が痛い役どころなのに・・走っちゃったりね。足取りはスタスタと、姿勢も真っ直ぐ! 
もうこれはクァンというよりも受賞式のカーペットを歩くアンディ・ラウ姿勢!
それ以外の何者でもございませんでした。(笑)

なんだかなぁ・・そういう細かいところが気になる映画なのだ。
脚本とか物語は、けっこういい線いっていて、それなりにハラハラするし
やるせない部分もあるのにねぇ・・
ちょっとしたことで、スクリーンから現実に引き戻される。

フィクションということは百も承知だけれども、
最後まで物語と映像に引きずりこんで欲しかった。

というわけで、この映画はアンディ・ラウが好きな人は楽しい映画。か・・な?

私もアンディ・ラウは好きだけれども、今回は、ちょっといけませんでしたなぁ・・
けっこう楽しみにして観た映画だったので残念でならない。

レンタルで充分かもしれないけれども、最後に一応、この映画の宣伝。(^^;;)


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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD



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コメント 3

のんたん

いつだったか映画館で予告を見て
悪役のアンディもかっこいいなと思ったのですが
そんな重病を患っているような風には見えない「キリリ」度でしたね!
結局見ないうちに終わってたんですけど、そうか、そうだったのか。
見なくてよかったかな(笑)
香港映画って量産される分、駄作?も多いんでしょうかね。
いい映画はほんとにいいけど。。。
by のんたん (2009-12-08 11:41) 

まなてぃ

komoさん、ご訪問&niceありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2009-12-08 23:31) 

まなてぃ

のんたんさん、こんばんは。(^^)
コメントどうもありがとうございます。

>いつだったか映画館で予告を見て
>悪役のアンディもかっこいいなと思ったのですが
>そんな重病を患っているような風には見えない「キリリ」度でしたね!

そうなんですよ!
重病っぽく演じていたのは、映画の冒頭だけでしたね。
もうあとは、キリリとしたアンディは大活躍!&タイへの大旅行!ですよ。
オイオイ君は病気の役ではないのか?と笑ってしまいました。

けっこう、脚本はいい線!いっている映画だと思います。
レンタルで観るぶんには損はないかなぁ・・
いつも脇役ですが、ルイス・クーのイカれぶりが、いい味をだしてますね。

>香港映画って量産される分、駄作?も多いんでしょうかね。
>いい映画はほんとにいいけど。。。

ホント!いい映画はいいんですよ香港映画はっ。(激しく同意)
もっとガンバって欲しいですよねぇ。
最近、中国映画に香港俳優が出まくって、稼いでいるのをみると、
意地をみせろ!香港映画!と応援したくなってしまいますね。(^^;)


by まなてぃ (2009-12-08 23:39) 

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