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MW -ムウ- [映画感想 ま行]

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映画タイトル:MW -ムウ-
初公開年月 :2009/07/04
監督:岩本仁志
脚本:大石哲也 木村春夫
出演:玉木宏  山田孝之 石田ゆり子 石橋凌 他

<あらすじ:映画ONLINE参照>


16年前、“沖之真船島”で島民全員が一夜にして虐殺される凄惨な事件が発生した。
しかし、何故かこの事実は政府によって隠匿される。
だがこの時、2人の少年が奇跡的に助かり、それぞれ異なる環境で現代社会に
身を置いていた。
ひとりは、神父として迷える人々を救済しながら自らの受難の記憶を克服しようと
苦闘する賀来。そしてもうひとりの生存者である結城は、エリート外資銀行員の顔を持つ
一方で密かに事件の謎を追い続け、当時の関係者へ冷徹な制裁を食らわせていたのだった。
また事件の後遺症から自分に残された時間が僅かと悟り、次々と報復を重ねていく結城。
そんな彼と特別な想いを込めた深い絆で結ばれながら結城の汚れてしまった魂を救おうとする
賀来も、その暴走に引きずり込まれ、犯罪に荷担してしまう。
こうした彼らの復讐劇はやがて刑事や新聞記者に嗅ぎつけられるものの、
ある時“MW(ムウ)”という単語が事件の謎を解く鍵であることを突き止める
結城と賀来だったが…。

※ここから先はネタバレ必須です。※■2009.07.05(日) 本日の一言■

チケットが余っているとかで、玉木宏ファンの友人の誘いをうけて、
昨日公開された『MW -ムウ-』をタダで!観てきた。(^^;)

さて。
この映画の原作者は言わずと知れた、漫画界の巨匠!手塚治虫である。
同名の漫画で、連載当時のことは知らないが、私はこの作品を高校生のときに、
マンガ部の友人から「おもしろいよ!」と言われて借りて読んだことを
今でも鮮明に覚えている。それだけ物語が面白かったのだ。

内容を一言でいうのであれば、まさに毒華。

殺人に、毒ガスに、犯罪に、政治に、男女倒錯ありぃの!同性愛的要素ありぃの
の、まさにテンコ盛りの物語である。しかしながら読者に消化不良を起こさせず、
なおかつ、読者をぐいぐいと引き込みながら、たった3冊で完結へともってゆく
ストーリーに、私は夢中になって読み終え「手塚治虫って・・本当に凄いんだな」と
感心と感嘆で、また再び1巻から手にとって読みなおしたものだった。

本音を言えば、好きな漫画だっただけに、映画にはしてもらいたくなかった。
それでも映画館では予告編がバンバン流れてきた。

予告編を見る限り、主人公である結城美智雄を演じる玉木宏の配役は外見的に
バッチリ!だった。この役ばかりは外見的にもこう、女心をときめかせる!
ものがないと、お話にならない。
原作である漫画では女装もしてしまうくらいの役だ。
美が前面に出ないといかん。


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この主人公に振り回され続ける賀来神父に山田孝之が演じているのだが、
まぁ・・マンガとは随分と雰囲気が違うが、それはしょうがない・・
なかなか登場人物全員をマンガそのままの雰囲気を引きづらせるのは、
大変!なことくらいは私だって大人です。目をつぶる。


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しかしね、予告編で
「私、MW(ムウ)のことを知っています」と叫んでいた君!
牧野京子(MWがらみの事件を追う記者)を演じている石田ゆりこ。が
画面にでてきたときには・・


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こりゃあかん!ダメダメ映画の予感がする。と思った。(--川)
女記者ではあまりに役不足。原作は中年記者がMWを追うのだ。

これは男女差別と言われてもいい!女優じゃあだめだよ。
原作通り老練の年配俳優にやらせるべき役だったよね。

と、感じたので観る予定は当初なかったのだ。

が、でも暇だったしチケット代は「タダ」で誘われた。
それに・・友人と映画のあとのゴハン!も楽しい。ので、

ま・・友達とのゴハンの前座。くらいの気持ちで鑑賞したわけだが・・

この映画は・・・ひどいね・・( ̄Θ ̄;)  本当にひどい映画だ。(--川)
私の財布は傷まなかったけれども、やっぱり、ひどいものは
ひどいと言うしかあるまい。

これは『MW -ムウ-』ではない。おまけに、
どーしたら、あんなに面白い原作をここまで酷くできるのか。

この映画は原作にひそみ見え隠れする毒華の部分が、
ごっそり!と抜け落ちてしまっているではないか。

男女倒錯やら同性愛的要素やら、
男と女が・・男と男が・・人間同士が、騙しだまされ・・・フリフラレ・・
ドロドロ人間模様!

ワタシャびっくりだよ!これらを描かずして、
何を語る?何を映像にするのぉおお?(@@)である。

原作では
この下のお二人は子供の頃、MWという毒ガスを島で、ともに吸い
その後遺症に苦しんでいる。
しかし二人には肉体関係があり、結城との肉体関係に見切りをつけれないまま、
それでも結城を救いたいと考え、だがしかし、ズルズルと結城の計略にはまり
彼の思い通りに動いてしまう賀来神父の弱さ・・と、


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かたやMWを利用し世界の復讐に燃え残忍性をあらわにする結城。
MWの謎ときもさることながら、己の魅力で賀来神父や
周りの人間を思い通りにさせてしまう結城の悪魔性を楽しむ作品でもあるのだ。

映画で、結城の悪魔性は、台本的にも演出的にもなんとかなったようだが・・
(なんとかなった!というだけで、満足してるわけではない)

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肝心要の対比となる賀来神父の闇の部分やらズル狡さは
映画で提示されておらず、ただ、ただ結城の暴走を止めたいと
「もういいだろぉ・・」と哀願の声を結城に向かって
あげ続けるばかりの彼に、なんの魅力があるだろう。
ただのおバカちゃんにしか見えない。


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とにかく映画で提示しなくてはならないことは、ゴマンあるのに
映画の頭を飾る、陳腐で使い古したような警察と結城の逃走劇なんぞに
オメオメと海外ロケまでして時間をさいた挙句、
物語上、MWが保管されている島を見つけ出した結城、賀来神父、
新聞記者である牧野の存在に気づいた米軍?が、彼らを始末すべく
ヘリコプターまで導入し、殺せたのは女記者である牧野だけとは笑止千万だ。
あんな女、一発!街のどこかで銃弾で仕留めてしまえばよろし。(--)

とにかく、描かなくてはいけない毒を描かず
たとえば、結城(玉木宏)と賀来(山田孝之)のラヴシーンだったら
観たい客だっていたかもしれないじゃない?
それもたいして資金をかけずにそういったシーンは撮れるはずであろうに
くだらない逃走劇やヘリコプターにお金をムダに注ぎ込んだ。


そもそも人の影や毒を描けない、見かけだおしのお子ちゃま映画にするのだったら、
はじめから『MW -ムウ-』に手をだしちゃいけないのだ。

いったいこの監督は『MW -ムウ-』の何を描きたかったのか?
さーっぱり私には見えないし、こんな映画なら、何も『MW -ムウ-』なんぞを
題材に選ばなくたってよかったじゃないか。


良い素材を手にしておきながら、製作者&監督はいったい何をしているんだか。


怒りゲージ=====MIN ■■■■■■■□□□ MAX (("o(-"-;)プルプル

まぁ・・さんざん文句はつけたが、
私は一銭も払わずに映画を観たんだし、(^^;;)
友人とのゴハンやお喋りはいたく慰めになったし楽しかった。

彼女は格好いい玉木宏が見れたことが、とても嬉しかったらしく、

話はともかく・・玉木宏は格好よかったわね♪」(^▽^*)ルン♪
と喜んでいましたよ。

そうか・・格好いい玉木宏を見たい人は、
喜べる映画なんだな・・w(゚ー゚;)w驚き!!

玉木宏ファン!限定で観にいっても、
許される範囲の映画である。

あとのかた・・お薦めしません。
お金を払わずとも、お薦めできない映画だってある。

では、本日はこれにて。

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コメント 2

朱色会

コメントありがとうございました。

監督は、「ファンがこの作品を通じて掴んでいるもの」を掴んでいないと感じました。

集客のためだけに召集された感の役者さんたちがいちばんかわいそうかなと思います。

ドラマの制作は歴任されているようですが・・・TVと映画はまったく違います。お金の出所が。
by 朱色会 (2009-07-07 00:01) 

まなてぃ

朱色会 さん、こちらにもコメント、ありがとうございます。

>集客のためだけに召集された感の役者さんたちがいちばんかわいそうかなと思います。

その代表たる玉木宏は・・
一緒に見に行った友人いわく、玉木宏はこの映画のために
そうとう減量をしたようですよ。あんなに痩せちゃって。(^^;;)
山田孝之も準主役級なのに、どーにも目立たない役になっているし・・
逆に原作ではたいした役割を担っていない刑事役の石橋凌が
もう、これでもかと背中に汗をかいて走り熱演してる、し(涙)で

本当に!この映画は、『MW-ムウ-』ではなく
ただの!D級!アクション映画でした。(--)

私としては、もっと深く!深く!深く!深く!
MWにかかわってしまった人間のトチ狂いやら、衝動やら、行動を
いろいろと観たかったんですけどねぇ。
朱色会さんが言ったように、本当に観なかったことにしたいという
映画の最高峰でした。

で、昨日、思わず本屋によって、口なおしならぬ
目なおしに!に、『MW-ムウ-』、買ってしまいました。
二十数年ぶりに読んだのですが・・やはり今でも色あせない。
素晴らしい。(感動)

今、母が横で熱心に読んでおりますよ。(^^;;)

by まなてぃ (2009-07-07 21:38) 

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