SSブログ

スコア [映画感想 さ行]

スコア

スコア

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2002/04/17
  • メディア: DVD

映画タイトル:スコア
初公開年月 :2001/09/22
監督:フランク・オズ
脚本:カリオ・セイラム レム・ドブス スコット・マーシャル・スミス
出演:ロバート・デ・ニーロ エドワード・ノートン マーロン・ブランド 他

■2006.10.25(水) 本日の一言■

先週の水曜日に、TUTAYAに行きこのブログのコメントで紹介されていた『スコア』と
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』を探した。ここのところ観たい作品が探しても
ことごとく見つからない故に、品数少ないと文句をつけていたTUTAYAであったが、
今回は奇跡的??に二作ともあり、さっそく借りて金庫破りが主人公の『スコア』から
鑑賞をした。(^^)v 遅ればせながら、まずは『スコア』の感想を書くことに。

まずは、あらすじである。
「危険は冒さない」「ひとりでやる」を信条にしている一流の金庫破りのニック(デ・ニーロ)。
ある日、長年のパートナーである盗品ブローカー、マックス(マーロン・ブランド)から
報酬400万ドルという願ってもない話を持ちかけられる。
自分の年齢も考え、彼女との平穏な生活を望むようになったニックは、この仕事を最後にしようと
考えていたが、成功させるためには内部に詳しいジャック(エドワード・ノートン)という
頭は切れるがどこか信じきれない若い男と組むことになるのだった・・。

それでは感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

今回の映画はマーロン・ブラント、ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートンと
名優揃い踏み。(^-^)v
オープニングは主人公のニック(ロバート・デ・ニーロ)が豪邸のパーティで金庫破りを成功し、
まんまとダイヤを盗んで逃走するというモノであるが、ここでニックがいかに「危険を冒さない」
ということを信条にしているかが画面を流れ、泥棒モノにしては静かで慎重なスベリだしである。
そしてこの映画のメインになるものは主人公の慎重さであり、最後の金庫破りを成功させる
ための準備シーンがストーリーの半分を占めているのだが、そのシーンがセリフでまかなったり、
説明的にするのではなく、映像と俳優の演技、現実にあり得そうな小道具(業務用工事機器類)
で観せていったことはリアル感を感じさせてくれる。また盗品ブローカーに話をもちかけてきた、
ニックの相棒となるジャック(エドワード・ノートン)の盗む先の詳細の下調べ方法が障害を
もったふりをした清掃係に、まんまとなりすまし、情報を得てゆくという手法は犯罪映画では
あまりみないパターンであり、派手さこそはないがエドワード・ノートンの障害者の演技も
みどころがあって、私はこの映画に引き込まれていった。
そもそも、盗むという行為は静かにすればするほど、成功率も高かろうと誰もが思っているのに
映画の世界では客を喜ばせるために、どうしてもハデになりがちだなとは思っていた。
例えば、わざわざ予告状を持ち主や警察に送ってみたり・・・・(-_-)ウーム
銃をバンバン撃って、銃弾を街にバラまき証拠が残りまくりだったり・・(; ̄ー ̄川
その目立つ車!そのヘリコプター!そのモーターボート!はどこから調達したの?
そんなものを乗り回して足がつくんじゃないの?(◎◎)・・・やら
おーい!そんなビルの屋上から降りてきたら目立っちゃうんじゃないの??(@@)などなど、
観ている最中はそれなりに楽しめるものであるにも関わらず、映画の帰り道、よくよく映画を
思い返してみるとムリがあるよなぁ・・映画だもんなぁ、ハデに作らないとお客は飽きちゃうから
しかたないか・・( ̄ー ̄;)ククククク と感じることが多かったのだ。
しかし『スコア』はそういったハデな部分こそは皆無であるが、熟練した金庫破りが考えそうな
手際が数々観られ、重装備金庫のマニュアルが登場し、どのように金庫を開けるか等をニックと
ジャックが相談するなど、普段のクライム映画には観れないシーンが満載でかなり私を満足
させてくれた。( ̄▽ ̄)
ただし一箇所だけケチをつけたいところもあって、それはジャックが裏切り&ポカをやった挙句、
一人、警察に追われるハメになるのだが、ジャックが捕まってしまうとなると金庫破りのニックと
ブローカーのマックスも、そう呑気に余生は暮らしてゆけないだろうな・・ということが、
私は気になって仕方がない。顔は割れているし、ニックの金庫破りの道具類が隠されている
部屋もジャックは知っているしで、ニックが仕事を成功させ、恋人を空港に迎えにゆくシーンを
エンディングで観ても、ジャックはどうなったのぉ!捕まったのか?
逃げおおせたのか?でもっ!ニックは恋人と空港を出て行ったのだから、ジャックは捕まって
いないんだよなぁ?(@@)と勝手に気をモミ、独り言をブチブチと呟きながら、
エンディングロールを迎えることとなった。(笑)
ジャックは逃げ延びたのか・・捕まったのか・・ここのところをハッキリとした結末として
教えて欲しいところである。

次に俳優の感想。

まずは金庫破りの主人公ニックを演じた、ロバート・デ・ニーロ。
『ゴッドファーザーPartⅡ』で、若いデ・ニーロを観たせいで、いつものデ・ニーロの顔で
あるにも関わらず観た瞬間!「デ・ニーロ・・老けたなぁあああああ!太った?」(◎◎)と
妙な叫び声を上げての鑑賞となった。(笑)演技は、デ・ニーロにしては地味目であるが、
用意周到で危険を冒さぬ男の格好よさ!は申し分ない。ただもう少し、体を締めてからこの役を
やって欲しいな・・というのはあった。走っているシーンなど、この体型で下水道を逃走するには
ムリがあるよぉお!・・と、観ているこちらの呼吸が苦しくなったのも正直なところ。
今回は渋めの演技であったので、次は『 ケープ・フィアー 』のように怪演する作品が
久しぶりに観たくなった。

次、ニックの相棒となるジャックを演じた、エドワード・ノートン。
彼が演じるジャックが、知能障害者のマネから本来のずる賢い男ジャックへと戻る演技の
あまりのウマさに感心した。最後まで信用がおけず少々、チンピラっぽい演技も胴にはいり
デ・ニーロを向こうに回しているのに引けをとらずにジャックを演じきっていたのには感心した。
『レッドドラゴン』のときは、まぁまぁウマイくらいの役者さんという印象だったのだが、
今回でエドワード・ノートンって本当にウマイ役者さんなんだ・・と格が上がった。
次回作にもおおいに!期待をかけたいところである。(^^)v

次、盗品ブローカーのマックスを演じた、マーロン・ブラント。
ものすごくヨロヨロしていて、ちょっと歩くとゼイゼイ言っているような感じがして、
ブラント自身の体調が悪かったのか・・映画をみていてかなり辛い。(><)
存在感はあるのだけれども、演じる気力が随分と失せているように見受けられて
切なかった。

最後に映画の全体的な感想を書いておく。

400万ドルのお宝をめぐっての金庫破りを成功させるまでの物語であることから、
鑑賞前は、ハデなドンパチものかと思っていたのだが、蓋をあけてみれば、
俳優の演技力と成功の裏にある泥棒たちの努力をシンプルにみせる作品だった。
主人公ニックを裏切ったジャックが横取りしたと思っていた宝が偽モノにすりかわって
いたというオチは少々、先が見えた感じがしないでもないけれども、
カーアクションや銃撃戦などをまじえなくとも、充分に犯罪映画は成り立つんだな。
ということを改めて教えてくれる作品だ。
特に二人が破る金庫にむかって行動を開始してからは、結構ハラハラさせられるし、
裏切りもあるのだが、出演者が誰一人、血みどろにならずにエンディングを迎えたのは
久しぶりのことだった。私は地味ながらも新鮮に見えて楽しめた。
最近のドンパチに飽きはじめたときに観ると良い作品だと思う。
最後はハッピーエンドだし、気楽に楽しめる秀作な映画である。(^^)v


nice!(3)  コメント(7)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 3

コメント 7

こんばんは。最後のオチはしっかり観ていればわかりますよね~。でも、ノートンの演技力で緊張感もって最後まで楽しめますね。それにしても、だまされたおじいさんがかわいそうだった・・・。マーロン・ブランドは監督ともめたらしく、多分それが映画の中にまで出ちゃったのではないのでしょうか・・・。結局これが遺作になっちゃったのに・・・。
by (2006-10-25 21:00) 

tamapin

お邪魔します。
障害者のフリというある種あざとい戦略で仕込みに入るで思い出すのは原田真人監督木村一八主演のVシネ「タフ」シリーズの三巻、「全身」に障害を装って雀荘に店員として採用されるくだりを思い出します。身障者と客たちの暖かい関係がしっかり築かれてから起こる悲劇は、落差もあって大変ショッキングでした。
機会があればそちらも見比べて…て、今はもう無いかもしれませんね。
主人公が最後まで自分のルールから逸脱しないという、いろんな干渉があるだろうハリウッド大作映画で希有な地味さに感動しました(だんだん見方がひねてきましたよ…)
ところで、ニックはジャックが捕まらない、同業者を売らない程度には才覚と仁義があると見切っての結末ではないでしょうか。引退する先輩から、指名手配のプレゼント^^と私は思ったんですけど…違うのかなー?(でもこうしていろいろ考える映画は好きです)長くなっちゃいました、ごめんなさい。
by tamapin (2006-10-26 03:56) 

まなてぃ

>noricさんNiceありがとうございまーす。(^^)
by まなてぃ (2006-10-26 17:58) 

まなてぃ

>katoyasuさんNice&コメントありがとうございます。(^^)
私も騙されていた清掃夫のおじいさんが、酷い目にあったり
殺されなきゃいいけが、大丈夫かなっ!(><)と、
バレて部屋に閉じ込められるシーンでは、妙なドキドキ感を味わい
ましたねぇ。

>最後のオチはしっかり観ていればわかりますよね~。

え!!咄嗟に入れ替えていたシーンがありましたか??
私は見落としていましたねぇ。ただ、直感で、入れ替えたかなぁ・・
ニックが本物をもっているのかなぁああ・・で、
わかっただけに過ぎないんですね。トホホですねぇ。(^^;;;;;;)
また観る機会があったら、そのシーンを確認しなくては。
by まなてぃ (2006-10-26 18:05) 

まなてぃ

>びんさん、Nice&コメントありがとうございます。(^^)
Vシネ「タフ」シリーズ第3巻ですか・・探してみます。
確かに地味な作品ではありましたが、その成功にいたるまでの
道筋というものは、よくできていて楽しかったですねぇ。
ジャックには逃げ切ってもらいたいですね。そして
一流の金庫破りに成長してもらいたいもんです。
なーーんて盗まれる財産をもっていない私は、
鑑賞後、茶をススリながら、無責任に想像して楽しませて
いただきました。(笑)
by まなてぃ (2006-10-26 18:11) 

のんたん

見ないかなーとおもって、かる~くネタバレも読んじゃいましたけど・・・
おもしろそうじゃないですかっ!後悔(涙)
でもこうなることを予見してたのか、ほんとにサラッとだったので
日本に帰る頃にはいい具合になっていそう。妹と見ますワ!
実はE・ノートンっつのに反応しまして、読んじゃいました。
彼、日本語話せるんですよね。なんかの記者会見で披露してましたが
いやー、かわいかったです。すんません、ヨコミチそれました!!
彼の作品は、ファイトクラブとアメリカン・ヒストリーXとミニミニ大作戦
だけ。次はこれを楽しんでみたいです^0^
by のんたん (2006-10-27 01:32) 

まなてぃ

>こんばんは、のんたんさん。コメントどうもありがとう(^-^)
『スコア』は地味ながら味わい深くてよかったですよ。
ぜひぜひ!お薦めですので、日本に帰国した暁には
観てみてください。(^^)
エドワード・ノートンは大阪弁が達者らしいですね。
私もこの『スコア』を観て、彼の出演している作品をもっと観て
みたくなりましたよ。
友人の話によるとノートンは脇役で出演し、主演者より目だっていて
『真実の行方』も名演技!
これから遅ればせながら、のんたんさんが紹介してくれた作品も
おっかけて観てゆきたいですね。
by まなてぃ (2006-10-27 21:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

カポーティ父親たちの星条旗 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。