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ワールドトレードセンター [映画感想 わ行]

ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション

ワールド・トレード・センター スペシャル・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/02/23
  • メディア: DVD

映画タイトル:ワールドトレードセンター
初公開年月 :2006/10/07
監督:オリヴァー・ストーン
脚本:アンドレア・バーロフ
出演:ニコラス・ケイジ マイケル・ペーニャ  マギー・ギレンホール マリア・ベロ他

■2006.10.10(火) 本日の一言■

今年は2001.9.11 ニューヨーク・テロについての映画が2作公開された。
先に公開されたのは『ユナイテッド93』であり、
10月7日に、公開されたのが『ワールドトレードセンター』である。
実は、『ユナイテッド93』は観ようか・・観まいか・・で随分と迷った。
しかし、公開までに何度も流れた予告編を観るにつけ感情が追いついてゆかなかったので、
(ようは、予告編だけで恐ろしいのと落涙しそうになった。)流すことにしたのだ。
で、今回のこの『ワールドトレードセンター』は、途中、恐ろしいことが幾度となく訪れようと、
最後は生還で終わるというのはわかっているので、それを盾にして一昨日、鑑賞した。
次にあらすじ、そして感想を述べることにする。

さて、あらすじである。
2001年9月11日の早朝。
港湾警察のジョン・マクローリン巡査部長(ニコラス・ケイジ)は、いつもと変わらず
早朝勤務のために家をでる。しかし朝礼を終え間もなくすると世界貿易センタービル北棟に
旅客機が激突する大惨事が発生する。
港湾警察官たちに緊急招集がかけられ、マクローリンを班長とした救助チームが結成された。
現場へと急行し、ビルに取り残された人々の帰路を確保するために、マクローリンと共に
4人の警官がビル内に入ることを志願した。
しかし、彼らがビルに潜入した直後、大音響と大爆発と共にビル全体が崩壊したのだった・・

それでは感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

崩壊したビルの瓦礫の下に主人公、ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)が、
早々に埋まってしまうので、この映画が生還までどのように進んでゆくのか?
期待はかなり大きかった。
まずは良かった部分から先に書いておくことにする。
この映画で見所のあるシーンは、ビルが崩壊し爆発と爆風、そして地下駐車場があっと
いう間に瓦礫の山と化し、コンクリートと雪のように舞い上がるホコリと粉、
運だけで助かったとしか思えない瓦礫に挟まれた三人の警察官。
そのうち、一人はのちに第二、第三のビルの落石で、下半身を挟まれ、助からないと
見限り自分の命を絶ってしまう。
これらのシーンが流れているあいだ、時間をおいては映画館に響き渡る落石の音が
聞こえてくる。そのあまりの音の大きさに、あぁ!早く!早く!落石よ
止まってください(T人T)と私は息を止めて、首を縮め小心者丸出しでスクリーンに
向かっていた。ここまでは、非常に説得力があった。(^^) 
しかし、問題はそこから先である。マクローリン巡査部長とその部下、ヒメノが、
生還を信じ、互いに家族や生い立ち、様々な話をしているその地上で、どのような
救出劇がスクリーンに展開されるのか・・。私は手に汗を握って、そのシーンを待ちわびた
のだがスクリーンを占拠したのは、マクローリン巡査部長とヒメノの家族たちの
悲しみのシーンばかりが永遠と続いてゆくのだ。
「夫は生きてるわ」「戻ってくるわ」というシーンは一度、スクリーンをみれば観客も納得する。
それなのにこの映画は、場所を変え、悲嘆に暮れる家族の顔を変えただけで、
飽きもせず似たようなシーンを繰り返すだけなのだ。(--)
せっかく映画に警察、消防、看護士、海兵隊まで出して、その人たちの行動をまったくと
いっていいほど追っていない。これでは「今のお気持ちは!」と叫ぶマスコミの取材が
成功しただけの画像とさして違いはない。
また救出のきっかけになるシーンも安易である。危険だから近づくなといわれていた
瓦礫の山で生存者を発見した海兵隊が警察署にかける一本の電話で、それまで滞っていた
事態が急に明るく進みだすのには、いかがなものか。もっと仲間うちで「行くか・・」
「行かぬか」「方法は・・」で、モメたに違いないのに、そういったことは全て棚上げで
ある。生還することは予告編でもわかっていたのだから、そういったシーンこそ
入れなくて、何を語りたかったのか?私にはよくわからなかった。
ついでに言わせていただければ、瓦礫に埋まっていたヒメノが意識混濁の中、見たという
キリストの姿が、本当にチャチな作りだ。死にかけている人間が神を見るという話は、
よく聞くし、事実なのであろう。しかし仮にも神様をだすのだから、もう少し工夫が
欲しかった。ピンポケたキリスト様が画面にでてきても、あまり説得力はないと思う。
まぁとにかく最後は助かった・・助けられた・・それだけだ。助かったことは大事なことだし、
埋もれていた二人が瓦礫の中から救出されたときには、「・・・よかった・・」と
心から呟くことはできる。
しかし、映画の内容的には、こんなモノなら作らなくてもよかったのでは・・
というのが正直なところである。

次に俳優の感想。

感想が書ける俳優さんはジョン・マクローリン巡査部長を演じた、ニコラス・ケイジ。
演技は相変わらずウマイ。重かろう・・苦しかろう・・痛かろう・・
妻の姿を思い出しながら、耐え続ける姿は本当にウマイ。
が、ニコラス・ケイジが演じなくてもよかったかな・・というのも本音である。
むしろ名も知れぬ俳優さんが演じたほうが、物語に説得力があったかな・・
というのが私の感想だ。ニコラス・ケイジに非はまったくないが、
見終わって、ふと思わずにはいられなかった。

他の俳優さんについて、もろもろと感想を書くことがあまり見受けられない。
マクローリン巡査部長の奥さんを演じたマリア・ベロも、夫を心から心配し、
悲しむ演技はうまかったが、それ以上に語るところがないのだ。
この作品にでてきた、どの俳優さんにもいえることだが、次回作に期待したい。

最後に映画の全体的な感想を書いておこう。

ワールドトレードセンターに飛行機がぶつかり、召集される警察、消防隊の姿
バラバラとビルから舞い落ちる書類、逃げ惑う人々、そしてビルの崩壊を
再びスクリーンで観ているときこそ、私はあの9月11日のことを思い出し、
幾度も席の上で恐ろしさに鳥肌をたてた。しかし、エンディングを迎えたときは、
鳥肌をたてたほどの恐怖感が完全に自分から抜けてしまい、
「助かってよかったけれど・・助かった人たちだけがよかった」映画という
印象が強く残っていて、あまりお薦めな映画ではないことは確かだ。
うーー・・家族愛は見れるかもしれない。しかし助かった人たちの家族愛だけで、
他は全体的にボンヤリとした作品になってしまい残念な限りであった。(--)ウン


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コメント 7

こんばんは。この映画なら先に公開された『ユナイテッド93』やTVなどでやっていた同時テロのドラマ、ドキュメンタリーとかの方が印象に残りました。この生き残った警官の話は以前聞いたことがあったのですが、こうやって出来た映画を観ると、上っ面しか描ききれていない気がして、感動も薄れてしまいました・・・。いつもインパクトを残すストーン監督なのに、まるで別人が撮ったような気がしてしまいましたねぇ。
by (2006-10-10 20:46) 

noric

これは観たいですね。
by noric (2006-10-10 21:16) 

まなてぃ

>katoyasuさんNice&コメントありがとうございます。(^^)
ストーン監督もどのように描ききればいいのか、かなり迷ったのかも
しれないですね。テーマがボケていてインパクトも薄かった。
同時テロのドラマのほうは、私は完全に見落としてしまい
残念な限り。(TT) また再放送でやってくれることを待つしか
ありませんねぇ。トホホです。
by まなてぃ (2006-10-12 12:06) 

まなてぃ

> noricさんNice&コメントありがとうございます。(^^)
感動する人とそうでない人と二つに分かれる映画だと思いました。
ビルが崩壊するところと、警察官たちが助かるところは良いですよ。
by まなてぃ (2006-10-12 12:08) 

まなてぃ

>リンコさん。Niceありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2006-10-12 12:09) 

White・Rabbit

初めまして、まなてぃさん。 長文失礼します。
この「WTC」は賛否両論が大きいと聞きますが不満派ようですね。私はDVDで鑑賞予定ですが、ストーン監督なので問題提起をするのかと感じてましたが、色んな規制や圧力で理想としていた物を描けなかったのかも? こんな証言も→ 10日まで貴重な生還者のロドリゲス氏が来日していました。(リンク参照)

日本では話題になってませんが、「なぜツインビルが簡単に崩壊したのか?」という疑問などが、米国で活発に再検証されているのをご存知でしょうか? 「爆薬による計画的な制御破壊」がツインタワー崩落の原因であるとする、9/11 TRUTHシンボル映画「Loose Change=ルース・チェインジ」が人々を啓蒙。ディラン・エイブリー青年(22歳)の作品が世界中で旋風を巻き起こしています。日本でも何とか10月末にDVD上陸。「ネット無料配信」も決定したそうです。

これを観ると新たな角度から「9・11」を考える事が出来るかもしれません。「ルース・チェインジ」=「ルースチェンジ」の反響の大きさなど詳しくは下記BBSの「9月21日」を。↓ これがNHKも教えてくれない、今年の9月11日のニューヨークでの4分デモ動画。。。
http://www.911podcasts.com/files/video/TalkingAboutaRevolution.wmv

尚、投稿内容やリンク先とは利害関係はありません。
http://www.wa3w.com/911/index.html
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/idx/?mycategory_id=31024
http://8136.teacup.com/empire/bbs
by White・Rabbit (2006-10-15 13:20) 

まなてぃ

> White・Rabbitさん、はじめまして、
いろんな情報&コメント ありがとうございます。(^^)
これから情報を仕入れていく予定ですが・・
この映画はDVDで充分な感じでしたね。
私もTUTAYAに並ぶまで待てばよかったかなぁ・・・
by まなてぃ (2006-10-16 19:03) 

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