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シザーハンズ [映画感想 さ行]

シザーハンズ〈特別編〉

シザーハンズ〈特別編〉

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2005/07/07
  • メディア: DVD


映画タイトル:シザーハンズ
初公開年月 : 1991/07/
監督:ティム・バートン
脚本:キャロライン・トンプソン
出演:ジョニー・デップ  ウィノナ・ライダー  ダイアン・ウィースト  他
   
■2006.9.9(土) 本日の一言■

仕事の日々も終了。土日は夜更かしの日々の始まりである。\( ̄▽ ̄)/ 
ブログ仲間から「映画『バーディ』はお薦めですよ」と教えてくれたのでTUTAYAへ
寄っていくことに。しかし、さんざん探してみたのだが、その肝心の『バーディ』が
見つからないのだ。お店の人に尋ねたのだが、「こちらの作品は置いていませんね」
とのこと。( p_q)シクシク 何故、置いてないかなぁああ・・・ 
出鼻をくじかれたので、何も借りずに帰宅して自宅にあるDVDをひっかきまわし、
このブログで、まだ感想を述べていなかった「シザーハンズ」を本当に久しぶりに
鑑賞することにした。
この世の思えない両手がハサミというエドワードというキャラに驚いたのと同時に
演じていたジョニー・デップという俳優を初めて知った作品でもある。

それにしてもこの映画について検索をかけたところ、もう15年も前の映画になる
というから驚いた。私にとって映画館に観にいったのは昨日のことのように鮮明だと
いうのに、月日の経つのは本当に早いものだ。

あらすじは、以下のような感じである。
丘の上にたつ不気味な城に暮らす発明家の博士は、発明熱にうかされて、
一人の人造人間エドワード(ジョニー・デップ)を作り上げる。
しかし彼の手がまだ未完成であったために博士は彼の手に多数のハサミを与えて、
その場をしのぐことにしたが、彼の手が完成直前に博士は高齢のために急死してしまい、
エドワードは両手がハサミのままこの城に一人取り残されてしまうのだった。
そんなある日、化粧品のセールス・ウーマンのべグ(ダイアン・ウィースト )が
新規の顧客を得るために、エドワードの暮らす屋敷を訪ね、屋根の抜けた部屋で
手がハサミゆえに顔を傷だらけにし孤独な日々を送っていたエドワードと出会う。
彼女はそんな彼の姿に同情し、自分の家に連れて帰ることを決めるのだが・・・・

では感想である。
★以降、ネタバレしていきますよ★

初めて観た時は、オープニングの黒と青白い色彩で始まるこの映画にドキドキし、
奇妙に明るい配色をほどこした街に、ハサミの手をしたエドワードが、どんな騒動を
起こすのか・・と楽しみにしたことを今でも覚えている。
しかし今回の鑑賞では、昨日のことのように覚えていて15年経ったとは思えないと
言っておきながら、やはり時間が経過していることを感じさせ、古い写真のような
霞がかった世界へ連れて行かれたような気分に私はなった。だが、その古びた感じは
悪いものではなかった。むしろ、この映画はキム(ウィノナ・ライダー)が老女となり、
孫に向かって自分とエドワードの恋の思い出話をお伽噺のように語るのであるのだから、
古びた感じがあったとしても問題があるはずもないのだ。
映画の前半部分は多少のブラックジョークがあるにせよ、暖かく楽しいシーンが満載である。
暖かさの元になるのは、エドワードを街へつれてきたベグと彼の交流場面だ。
エドワードにある傷の治療をほどこし、常に暖かな言葉をかけ、彼を気にかける彼女の
行動はこの映画にでてくる人間の中で唯一、かけ引きや裏心がなく観ていて心が安まる。
又、その反面でエドワードを都合の良い興味から受け入れる住民たちの心の動きを
ぬからず登場させているのがこの映画を甘くさせないのだ。
自分が街の住人たちに受け入れられるときに見せるエドワードのハサミの特質を生かした
植木の手入れや犬や人間の毛のカット、子供たちのいる学校での切り抜きなどの
明るい行動が楽しい分だけ、エドワードについて心よく思わぬ人間との関わりから、
彼が拒絶されたときに起こる、手がハサミゆえの悲しい行動が、また映えてくるのだと思う。
しかしながら、私は何度この映画を観てもエドワードの女を見る目のなさが、彼の不幸の
始まりであったことが残念でならない。
確かにキムは美しいが、性格はことの他いただけない小娘である。年若い娘なのだから、
素直でない年頃なのだから、彼氏に頼まれ断りきれなかった犯罪なのだと、同情できる
部分はないかと考えてはみたものの、彼女の犯罪の片棒担ぎに目をつぶることは、
私にはできないようだ。(--)それは映画の最後にエドワードが降らす雪に心を奪われ、
悲しいエンディングに落涙をしたとしても、やはりどこか帳消しにならない棘となって
心に残るのだった。

次に俳優の感想である。

まず人造人間のエドワードを演じた、ジョニー・デップ。
真っ白で、ヒョロヒョロで両手はハサミという、想像の産物を数少ないセリフの中で
心もとない表情や、捨て犬を思わせるようなウルッ目でエドワードを演じきっている。
さぞかし、撮影は大変だったろうなぁ・・やら、両手にあれだけのハサミをぶら下げて
休憩中は簡単に外せたのか?とか・・映画を観終えると必ず思ってしまう。
ここのところ、ジャック・スパロウやらウォンカやら、個性と強気の役が
多いので疎外される静かな役のジョニー・デップを改めて観たいな・・と思った。

次、エドワードを街につれてくる人の良い女性、ベグを演じたダイアン・ウィースト。
この映画に登場する人物の中で一番、まっとうな感覚と親切な女性を演じている。
通常であれば埋没してしまうような平凡な役どころなのだが、登場人物が
どれもこれも強烈な者たちばかりなので、彼女が映像にでてきてくれると
本当にホッした。演技も気負った感じがなく自然であり、この映画の助演女優は
彼女だと思う。

次、エドワードが好きになる、ベグの娘、キムを演じたウィノナ・ライダー。
小生意気でずるい小娘をこれでもかぁ!と演じている。演技はうまいと思う。
実はこの映画を観た数年後、映画『若草物語』を観たときに、次女のジョー役が
シザーハンズのキムだとは、私はまったく気づかなかった。おまけに『エイリアン4』、
『オータム・イン・ニューヨーク』(これはリチャード・ギアの恋人!の役)と
主役級の大きな役をやっていて、私はどちらもみているのに、ウィノナだとはまったく
気づかなかったのだ。それらを考えても、彼女は役によって演技を変えることは、
充分できる女優さんなのだと思う。参りました・・天晴れである。

映画の全体的な感想を書いておく。

毎回、この映画を観る前は「エドワードとキムのエンディングは、二人の自業自得から
始まったモノなのだから今回こそは泣くまい。」と意を決して鑑賞を開始するのだが、
きまって最後はホロリと落涙してエンドロールを眺めることとなる。
毎回泣く理由を今回、感想を書く上で考えてみたのだが、理由はやはりこの物語が
どういう道筋を通ろうとも、悲恋の結末を迎えると私が予期するせいなのだろう。
仮にエドワードとキムがこの恋愛を成就させたところで、人造人間のエドワードは
永遠の時を生きてゆくことになるであろうし、キムは老いを重ね、この世を去る時を
迎えることになるであろう。親しくなった人々を次々と見送る痛み、独り残る悲しみや
エドワード自身が死を迎えられない事実を知るのは、あまりに酷なのではないか・・
それならば、美しいままのキムの像を作り続けることのほうが、エドワードにとっては
幸福であるのかもしれないと感じるのだ。

何度観ても、二人の悲恋を味わえるお伽噺。
かすかな痛みを感じ、それを心に残したい人にはお薦めな映画である。

<書き忘れの余談話>
この映画の最後を飾る、キムの姿をした氷の像がでてくるたびに、私はウル目になるが
涙を拭き終わると、あの像を作る氷はいったいどこから調達してくるのかな?と
首を捻ってしまう。城にあるのか?氷の貯蔵庫が・・(^^)ヾハハハハハ


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コメント 6

ども。原色で作られた街が素敵でした。エドワードが「抱けない」ってとこが悲しすぎますよね。名作です。最近このミュージカルが日本に来ているそうですが、どういう仕上がりになっているのか気になります。
by (2006-09-09 21:38) 

のんたん

こんばんは^0^
そうですかー。やっぱりバーディはなかったんですね。古すぎるのかな。
いつかあったらぜひ見てみてください。そしてアップお願いしますね♪
ところで『シザーハンズ』、最後のツッコミ、あ、ほんまや!です。(笑)
by のんたん (2006-09-10 00:03) 

まなてぃ

>こんにちは、katoyasuさんNice&コメントありがとうございます。
バレエの「シザーハンズ」は最近まで演じられていたようですね。
私は観に行かなかったのですが、観にいった友人によると、
それはそれは美しい!世界で、セリフなどなくても映画との
オバーラップもあって、友人は落涙したそうです。
チケットの値段に恐れをなして、観に行かなかったのですが、
今、思うと観に行けばよかったかなぁ・・・と、かなり後悔している
このごろです。(--;;;)
by まなてぃ (2006-09-10 13:53) 

まなてぃ

>のんたんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。(^^)
そうなんです!『バーディ』がなかったのですよ。ショックです。
最近、私が行きつけにしているレンタル屋の品揃えの悪さに
少々、文句をいいたいこのごろですね。ちょっと他のレンタル屋も
覗いてみようかと思っているところ。
>ところで『シザーハンズ』、最後のツッコミ、あ、ほんまや!です。

毎回、落涙しておきながら、いつも思うことだったのですよ。
おまけにあの氷の像がある場所は、階上ですよねぇ。
エドワードはハサミに氷を突き刺して、引きづりあげるのかな・・?と。
その姿を想像すると、(^m^)プププ・・その姿みたいな・・と
笑いがこみ上げますね。
ウルッときておきながら、こんなことを考えて笑ってしまい、
ごめんよ!エドワードぉおお!でも気になりますよねぇ。(^○^)ハハハ
by まなてぃ (2006-09-10 14:01) 

まあ

ジョニーデップ好きだから今度レンタルしよかな☆
by まあ (2007-02-09 00:18) 

まなてぃ

>まあさん、コメントどうもありがとう。
映画『シザーハンズ』はジョニー・デップの名作ですね。
ぜひレンタルして観てくださいな。(^^)
by まなてぃ (2007-02-09 21:34) 

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