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ナインスゲート [映画感想 な行]

ナインスゲート デラックス版

ナインスゲート デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: DVD

映画タイトル:ナインスゲート
初公開年月 :2000/05
監督: ロマン・ポランスキー
脚本: エンリケ・ウルビス  ロマン・ポランスキー  ジョン・ブラウンジョン
出演:  ジョニー・デップ  フランク・ランジェラ  レナ・オリン 他
   
■2006.7.29(土) 本日の一言■

金曜日♪♪♪ 夜更かし、お酒、映画三昧のスタートである。
夏だから、スリラー系で「スリピーホロー」でも観ようかな!
とレンタルショップへでかけたのだが、残念ながら貸し出し中。(><)
そこで隣にあったサスペンス、スリラー系の「ナインスゲート」を借りて、
鑑賞することにした。あぁ世の中、ままならぬなぁ・・・

あらすじは、以下のような感じである。
世界中の希少本のバイヤーであるコルソ(ジョニー・デップ)は
富豪コレクター、バルカン(フランク・ランジェラ)から世界に3冊しかないという
伝説の悪魔の祈祷書のうち本物の1冊はいずれになるかを調査して欲しいと依頼を受ける。
しかしバルカンのコレクションである1冊の祈祷書を受け取って以来、彼の周りでは
不可解な殺人事件が起こりはじめる。コルソは、ニューヨークからスペイン、ポルトガルと
祈祷書の謎を追い始めるのだった・・・

では感想である。
★以降、ネタバレしていきますよ★

妥協しつつ借りた映画ではあるが、実は1回目の鑑賞で、この映画のメインキーとなる
悪魔の祈祷書の謎が、自分なりに解明できたのか、わからないまま見終わってしまったので、
2度目の鑑賞では、悪魔の祈祷書の謎というものが、何であったのか?と理解することが、
私のメインテーマになった。結局、私が理解した謎の解明は、3冊の祈祷書の中にある挿絵の
うち、LCF(ルシファー)の署名がある挿絵が本物であり、その本物の挿絵は3冊の祈祷書に
それぞれ3枚収められており、1冊、1冊の全てが本物の祈祷書というわけではないということ。
又、その各自の祈祷書に収められた本物の挿絵、合計9枚をもちより、指定された城で、
悪魔と契約をすると人間を超越した神にも近い存在になれるらしい・・・
そして、それが出来るのはたった1人の人間のみということだけである。
しかし、たったこれだけの謎解きの映画であるのにも関わらず、筋を追うテンポの流れが、
ちょうど良い塩梅であることと、画面に出てくる全体的な重厚な雰囲気と、セットに使われている
建物の美しさに目を奪われて、自分の中では完全に納得がいかないシーンが数々あるのに、
あれよあれよと、最後まで観てしまう不思議な映画である。
祈祷書の謎をコルソと共に協力してくれる女の存在も、実のところよく、わからない設定である。
コルソが危機に陥ると、それこそ月光仮面のごとく疾風(はやて)のように 現れて疾風のように
去ってゆく♪という主題歌のように現れコルソを助けたり、目が金色に輝いたりと、彼女自身が
人間ではなく、悪魔の手下のような匂いをかもしだしているのだが、彼女自身が自分が何者で
あるのか明かすことは、最後まで決してなく、また最終的に9枚の本物の挿絵の全てを手に
いれたコルソが城に入ったあと、人間を超越した存在になったかどうかも謎のままに終わって
しまうのである。うぅうう・・どうなのかな・・この終わり方は・・良いのか、悪いのか、かといって
人間を超越したコルソの不気味な状態を観て、「完」というオチも、映画の雰囲気をブチ壊す
ことになってしまうのは目に見えているだろうし、これ以上どうすれば納得のゆく完結を
自分としても望みたいのか、わからない痛し痒しの感想をもった。

次に俳優の感想である。
まず主役のコルソを演じた、ジョニー・デップ。
この映画を境に彼は、固い青年期の男の役から、少々ずる賢い中年の男の役に触手を伸ばして
きたように思う。据え膳してくれる女性は遠慮なくいただいてしまったり、契約金の桁に
よって仕事を引き受けたり、命が危ないとわかれば、「話が違う、降りたい」とクライアントに
ふてぶてしくも言い、商売のためなら慰めたり、持ち上げたりと、こういう男、いるよねぇ、
いるんだよぉ・・でも言ってることも、やってることも、仕方がない、コルソのやっていることは
もっともだ、と妙な納得を感じさせる演技である。現実にコルソがいたら、イヤな奴だな・・
とは思うのだが、妙なところで間の抜けた演技が入るおかげで、憎めないように作られている。
静かで、おとなしい現代風のジャック・スパロウを観せてもらっているような気がした。

次、依頼人のダンカンを演じたフランク・ランジェラ。
物語の当初に出てくる彼の紳士的態度が一変し、獰猛な男に変貌するところは、とても
うまく演じられていると思う。邪魔者を殺すシーンも力任せで乱暴な感じを発揮してくれる。
この映画で初めて知った俳優さんだが、名優だと思う。

次、テルファー夫人を演じたレナ・オリン。
彼女は映画「ショコラ」で、夫の家庭内暴力に耐えられずチョコレートショップに逃げ込む、
女性の役をやっていた女優さんである。ショコラでは健気な女性を演じていたが、今回は
色気を武器に男をたぶらかし、それが効かぬとわかれば暴力も辞さない凄まじい女を
完璧に演じている。いやはや・・脇を固める俳優や女優はいろんな顔を演じ分けられる力を
もっていると、心底!脱帽させてもらった。

最後に映画の全体的な感想。
この映画は、悪魔だの祈祷書だの謎だのという触れ込みの割りには、不気味な画像は皆無に
等しいので「私・・怖いのはダメなの」という人たちでも、鑑賞は充分にできると思うし、
シーンごとにでてくる建物や雰囲気は、重厚感があり良いオレンジの光の使い方が特に
ウマイな・・と思った。
しかし設定されいた役が、全員!イヤな奴ばかりなのに、見せ所がサラリとしているせいで
物凄く印象に残るシーンが少なかったのは残念である。全員うまい役者さんだけに勿体なさを
感じずにはいられなかった。
うーーん・・困ったな、どうまとめようか(--;;;;)<感想のシメがまとまらなくなってきた・・
正直にいえば、ジョニー・デップのファンは、彼の過渡期ともなる演技が観れるので楽しい映画
かもしれないが、それ以外の人が観ると正直、なんだ・・この程度の謎なのかと思う可能性は
大きいだろう。期待をあまり持たず、時間と心に余裕がある時に観ることをお薦めする。

はぁあああ!やっとまとめたよ!こんなに苦戦した感想は初めてだったぁ・・・(><)


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コメント 7

noric

映画三昧は楽しめましたか。
by noric (2006-07-31 17:58) 

まなてぃ

>noricさん、こんばんは。Niceとコメントありがとうございます。
映画三昧は楽しみました。お酒も楽しみました。
満足して、昼寝ならぬ夕寝も楽しみました。
しかし満足しすぎて、感想が書けません。困ったもんです。(^^;;)
by まなてぃ (2006-08-01 00:57) 

こんばんは。ずっとコメントを書こうと思ったんですけど、この映画あまり印象にないんですねえ・・・。どうも「悪魔」ものは好きではなく、というのも自分が悪魔という存在を信じていないからなんです。「そんなアホな」と思ってしまいます(笑)。結局、まなてぃさんと同じで感想うまくまとめられなくてごめんなさい!
by (2006-08-01 21:13) 

tamapin

お邪魔します。
私は稀覯本マニア映画、書痴映画として見ました。
蔵書を売りにいく時、こんな調子のいい小ズルい人に当たりませんように、という感じです。
ジェイコブズ・ラダーやエンゼル・ハートも同様のオチといえそうですが、その度にキリスト教圏に生まれていたら、あるいは熱心な信者だったら、違う怖さがあるのかなという疑問を感じます。
by tamapin (2006-08-02 05:55) 

まなてぃ

>katoyasuさんNice&コメントありがとうございます。
私も実は、あまり悪魔を信じていないんですねぇ。(^^;;)
悪魔よりは、どうも閻魔大王のほうが、身近な感じがするのは、
やっぱり日本人だからでしょうか(笑)
かといって、9枚の絵が揃ったら、閻魔大王の前にいかされる。という
日本版の映画を作っても、やはり感想に困ることに違いは
ないのでしょうけどね。(^^;;)
by まなてぃ (2006-08-02 13:03) 

まなてぃ

>こんにちは、びんさん。引き続きのコメントありがとうございます。
初版本のありがたみ・・本物であるかどうかということを本、自体に
求めることがない私は、大金を払ってそれを売り買いするという
感覚がよくわからなかったですねぇ。
確かにキリスト教徒として育ったとしたら、「おそろしい」と
目をつぶりたくなったのかもしれないですね。文化と育った環境と
いうのは、映画の感想まで影響がでてきそうですね。
by まなてぃ (2006-08-02 13:08) 

辻

紹介


日本語の起源

言霊百神

kototama 100 deities
by (2014-10-23 23:42) 

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