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シャイン [映画感想 さ行]

シャイン

シャイン

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: DVD

映画タイトル:シャイン 
初公開年月 : 1997/03
監督: スコット・ヒックス
脚本: ジャン・サーディ
出演: ジェフリー・ラッシュ ノア・テイラー アレックス・ラファロウィッツ 他
   

■2006.7.3(月) 本日の一言■

昨日、レンタルビデオ屋にでかけ、借りていたDVDを返却して次のDVDを物色していると、
「シャイン」が目に入った。主演はジェフリー・ラッシュ。
彼は、パイレーツ オブ カリビアンの悪役のキャプテン・バルボッサを演じていた。
「凄いウマイ俳優さんだよなぁ・・パイレーツでは『フファファハハハハ!』と
獰猛に笑って、ずる賢い裏切り者をやってた。・・『シャイン』は良い役なのかな」
で、興味がでてきて借りた。今、思うと公開当時 けっこう話題になっていた
映画 『シャイン』、 しかし私は初の鑑賞である。(^^;)

あらすじは、以下のような感じである。
実在の天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた映画。
デヴィッドは幼い頃から、音楽家になれなかった父親ピーターの手ほどきで
ピアノの英才教育を受けて育つ。それは父の並々ならぬ愛情の1つでもあったが、
時がたつに連れて、その愛情の形は父から息子への暴力と呪縛となってデヴィッドを
精神的に縛り上げつつあった。やがて、デヴィッドはやっとの思いで父親の反対を
押切り、ロンドンへピアノ留学をし、コンクールで難曲、ラフマニノフの
「ピアノ協奏曲第3番」を見事な演奏で弾き終えるのだが、長年の緊張と父親との
対立から、彼は精神を病み舞台で倒れてしまうのだった。・・・

さて感想である。
★以降、ネタバレしていきますよ★
今回の突っ込みどころは2箇所。(^^;;;;;;;)

この映画は、主人公のデヴィッド(ジェフリー・ラッシュ)は既に精神を病んだ状態
でスタートする。
画面が進むにつれ、その原因がデヴィッドの父、ピーターという人間にあることが、
示されてゆく。このピーターという人は、息子を一流のピアニストに育てあげたいと
いう願いをもっている反面で、自分自身は生い立ちの不幸のせいで成し得ることが
できなかった夢を息子が、易々と手に入れて羽ばたこうするのは、おもしろくないと
いう思いも抱えた困った人間だ。息子のデヴィッド(青年期役:ノア・テイラー)は、
そんな父に対して、子供のうちは、なんとかその父の期待に答えようと頑張りをみせ
ているのだが、二人の軋轢は時が経つにつれ酷くなり、時に父は軍隊的な命令口調で
息子を強制し、暴力も振るうようになってくる。
どうも、この家庭の権限は完全に父親に握られていて、母親や姉なども出てくるのだが
ちぃとも息子を庇ったり、助け舟をだしたり、父親に向かって反抗していくところが、
見えないのが、不自然な感じがした。ただし、この映画の芯に通るテーマが、ピアノを
通しての父と子の葛藤、そして息子の解放の物語であるから、家族のファイトを見せる
と視点がボヤけてしまうと考えてのこともあるのかもしれない。それにしてもだ、
こうも父ピーターに吼えられるまま、されるままという家族は、外国の自分の意見を
主張する国、主張する民族というイメージから離れていて、少々首を傾げたくなった。
本来なら家族は、もっとこの父と息子の葛藤に巻き込まれていたのでは、ないだろうか?
その辺りをもう少し盛り込み、表現してもよかったのではないかと思った。
また、もう一つ、こりゃないだろと思ったのは、イギリスに渡ってからデヴィッドが
寒さをこらえるために大きめの皮の手袋の指先を切って、それをつけたままピアノの
練習を行うシーンである。ホンモノのデヴィッド・ヘルフゴットが、こんなことを
本当にしたのかなぁ? ピアノを習っていたことがあるから言わせてもらうけれども、
うーーん・・手袋をして練習はムリだろうし、そんなモノをつけて練習して良い結果は
でてこないよ、と。貧乏を表現するのなら、もう少し考えた設定をつけたほうが良いと
思う。これはいただけない・・(--)
しかし、先に述べた2つ以外は、物語の筋も良いし、ピアノで弾かれる曲も名曲
ばかりで耳に心地良い。晩年、精神を病んだデヴィッドが父と決別し開放される
シーンは胸を打ったし、デヴィッドが救われていく過程は、シャインというタイトルの
とおり暖かな輝きに満ちている。

さて次に俳優たちの感想を書いておく。

まず晩年期のデヴィッドを演じたジェフリー・ラッシュ。
神経症になったデヴィッドが同じ言葉を何度も呟く台詞まわしが、上手かったことは
当然のことながら、感情をコントロールできずに、ステージの上で何度もおじぎをして、
感極まって涙する演技は胸をうつものがある。
メイク効果を差し引いても、パイレーツ オブ カリビアンのバルボッサと同じ俳優には
観えなかった。すばらしい・・(^^)

青年期のデヴィッドを演じたノア・テイラー。
気が弱く、親の顔色ばかりうかがっている神経質な少年から青年期のデヴィッドを
演技とは思えない自然体で観せてくれている。
現実に、あぁああ・・こういう1つにだけ物事に集中していて人とうまく会話でき
ない感じの人っているよなぁ・・と思い出させてくれる。
後から検索して知ったのだが、彼!なんとチャーリーとチョコレート工場にでて
いた、チャーリーのお父さん役の俳優だったのだ!デヴィッドが?チャーリーのお父さん?
世の中信じられなくなりそうだ。(@@)

次にデヴィッドの父親を演じたアレックス・ラファロウィッツ(で、よかったよねぇ?)。
善人ぶっていて、それでいて暴力的で・・・イヤぁあああああああああああな父親ぶりを
遺憾なく発揮して演技してくれている。観ている間、この父親こそクタばってしまえと
呟けるほどのウマさです。この映画の助演男優賞、間違いなし。

では最後に全体的な感想を書いておこうか。
誰もが一度は、親と子というのは、ほどほどの距離や関係を保つことが
まことに難しいと思わされたことがある筈だと思う。
この映画は、その中でも、父の息子に対する支配と息子の葛藤と開放が縦軸におかれ
横軸に芸術というやっかいなモノを絡めて、人間の関係や距離のとり方が一歩、
踏み間違った故に起こる不幸、と乗り越えたあとに起こる幸福が描かれている。
とにかく観終わってホッとしたというのが正直な感想である。
これで、デヴィッドが一生、精神病院から出られず、父と決別できなかったら、
どうしようもない不幸な物語になっていったことだろう。

また映画を観終わったあと
実在するデヴィッド・ヘルフゴットがその後どうなったのか、老婆心が働いて、
ネットで検索してみたところ・・・・
デヴィッド・ヘルフゴットは健在で、映画上で結婚したとされる妻と幸せに暮らしており、
ピアノコンサートを行いに日本にも度々、来日しているようである。
まぁ、良かったよ・・幸せにやってるみたいだし <(; ̄ ・ ̄)=3 フゥ

このように登場人物のその後が気になる映画である。
こんなことをしたのは初めてのことだったなぁ。(笑)


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