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妹の恋人 [映画感想 あ行]

妹の恋人

妹の恋人

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2006/06/17
  • メディア: DVD

映画タイトル:妹の恋人
初公開年月 1993/10
監督: ジェレマイア・チェチック
脚本: バリー・バーマン
出演: ジョニー・デップ メアリー・スチュアート・マスターソン エイダン・クイン 他 

■2006.6.21(水) 本日の一言■

昨日、映画好きの友人と会社帰りに待ち合わせをしてお茶をした。
「キャラメルティーとケーキセット」「アールグレイとケーキセット」を
注文し終わったあとに友人はおもむろに「遅ればせながら、誕生日おめでとー!」と
プレゼントをくれた。
「1ヶ月以上も前だったし、気にしなくても、よかったのにぃ」は日本人のまえふりである。
やっぱり いくつになったって祝ってもらえるのは嬉しいし ヽ( ̄ ̄∇ ̄ ̄)ノ ランラン♪
プレゼントにいたっては、誕生日から半年以上たっていたって、ウェルカム!である。

袋をあけて出てきたのは、このブログのタイトルにもなっている「妹の恋人」のDVD。
私はもちろん、大喜びである。なんといっても大好物のジョニー・デップのが出ている
DVDである。友人とは映画のヨモヤマ話をしてから自宅に帰って、夕飯もそこそこに
「妹の恋人」さっそく観ることに。いやはや、懐かしい映画である。

まずは、あらすじ 以下のとおり

ベニー(エイダン・クイン)は、両親を目の前で交通事故で亡くして以来、自閉症気味に
なっている妹ジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)と二人暮らし。
妹の心配をする余り、自分自身の人生の設計がたてられず、疲れ気味の兄、ベニーと
自閉症という障害はもってはいても、自分は兄に心配されるほどではない、時には兄の思い
やりに苛立つ妹、ジューン。
昼間は生活のため、どうしても仕事にでなくてはいけないベニーのかわりに雇うお手伝いさんは、
ジューンが気に入らないという理由で、次々と追い出してしまい、兄妹の関係は、一見、
日常通りにしていながら状態は良くなく、精神科医は、ジューンの施設入りを進めるのだった。
そんなある夜、友人宅でトランプ賭博に参加するはずのベニーが、なかなかやってこなかった。
そこでベニーのかわりにジューンがトランプ賭博に立候補する。周囲の驚きをよそにジューンの
賭けたモノは、自宅の壁のペンキ塗りだったが、相手の賭けたモノは、自分の家に最近転がり
こんできた居候のサム(ジョニー・デップ)をジューンの家に預かってもらうということだった。
ジューンはトランプ賭博に負け、ベニーは怒り心頭になりながらも、サムを自宅に引き取る
ことにする。無口で、サイレント映画に憧れる不思議な雰囲気を持つサムは、初めこそ
ジューンとの暮らしに、ギクシャク感があるものの、得意のパントマイムで、自閉症のジューンの
心を開きはじめ、ベニーもサムの才能を認めはじめるのだが・・・。

さて感想である。
★以降、ネタバレしていきますよ★

あらすじからして、障害をもつ妹、守るのは自分ひとりという兄、その兄は夢も希望にも消極的・・
とくると、映画「ギルバート・グレイプ」を否応なく私は思い出す。
障害をもった兄妹、家族との和解という話の設定、日々淡々と時は流れてゆくというところは
この「妹の恋人」と「ギルバート・グレイプ」は大変よく似ている。
違う点があるとすれば「妹の恋人」で、心の平穏を先に手にいれるのは、保護者である
ベニーではなく、ジューンであり、つい見失いがちな障害者当人の思いもきちんと表現されて
いるところである。
また、二人の兄妹を結果的に救うサムは、パントマイムはできるし、映画についての情報量も
ただならぬものをもっているが、定職もなく、読み書きも満足にできない、一般社会からみれば、
間違いなく彼も落伍者の烙印を押される筈の人物だが、当の本人はそれについて、激しい
自己嫌悪感をもつことはなく、前向きに生きていこうとする行動が、映画全体を常に明るく
照らしている。映画の合間を飾るジューンとサムが少しずつ魅かれあうシーンは微笑ましく、
映画を観ている側に穏やかな気持ちと希望を持たせることに成功しているような気がする。
ただし正直にいえば、サムとジューンが結ばれた後、アパートを借りて生きていくことについて、
下世話な部分、生活費はどうするのか?や、ジューンが自閉症の発作を起こした
時はどうするか?サムという人物が、ジューンをみきれる才覚があるのか?などはかなり
省かれていて、甘いな・・という思いが頭をよぎらなくはなかった。しかし、そこまで描くと物語が
台無しになってしまうことは間違いないし、ベニーの恋人となる女性が、二人の借りるアパートの
管理人をしているのだから、そのあたりの問題は、私の知らない所で解決済みになったの
かな・・と首を傾げつつも納得することにした。(^^;)

次に俳優の感想である。

まずは自閉症のジューン役を演じた、メアリー・スチュアート・マスターソン。
もの凄い!美人ではないが、さっぱりとした清潔感と細身の身体が愛らしい女優さんである。
全体的に静かな演技であるが、役特有の反抗的な瞳が印象的である。自閉症の発作の
シーンはなかなかの演技力で見せてくれる。突っ張っているけど、内面は女の子という役を
演じたら、きっと可愛らしく当たる感じがした。

次に兄のベニー役を演じた エイダン・クイン。
不器用で人の良い兄役を好演している。が、良い人&平凡な役であるがために、
今ひとつ印象に残ることができず、気の毒な感じがする。もう少し彼の見せ場を作ってくれ
てもよかったのではと思うほどである。空気のように役にとけこんでいたという意味では
名脇役役者!だと思う。

次にサム役を演じた ジョニー・デップ。
久しぶりにこの映画を観て、その若さ!に「こんなに若かったっけ?」と妙な感心をした(^^;;)
役どころは、かなりおいしく印象も登場人物の中で、一番強く残るだろうと思う。
ただ、パントマイム等を相当、練習して本番にきっと臨んだのだろうなという固さが
画面の中で時々、見え隠れしているような気がした。
マイム以外の演技ぶりのほうが伸び伸びしていて、楽しそうで妙に初々しく観えたのは
一度目の鑑賞には感じなかったことだった。初々しいジョニー・デップを観るにはもってこいの
映画だと私は思う。

最後に映画全体の感想である。
この映画はお涙頂戴にいくらでも作れたテーマを暖かな目線でみていると思う。
これも日常、それも日常、別に何を驚くことがあるのか、全て受け入れてしまえば
ほーら!問題は解決していくよぉ・・・というお伽噺的、物語である。
海外の映画の良いところは、重くなりがちのテーマをいろんな形で、昇華させる術を
沢山もっていることだ。その一つを味わい、暖かな気分になりたい方にお薦めな映画である。


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コメント 7

のんたん

ああーこれ!ジョニー・デップだったんですか?
確かスプーンを2本持って躍らせる?シーンがありませんでしたか?
見たことがあります。でも彼だったとは・・・忘れてた?!のか?!
私はこの女優さん、「フライド・グリーン・トマト」と「恋しくて」でとても
いいなあって思いました。この映画も好きです。
by のんたん (2006-06-24 20:24) 

のんたん

そうだ!言い忘れていました!
遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。
プレゼントは、ナシですが^^;
by のんたん (2006-06-24 23:37) 

まなてぃ

のんたんさん、コメントありがとう!(^^)
そうです。ジョニー・デップだったんですねぇ。
フォークの頭にパンをつけて、足のような動きをダンスに
みせかけて躍らせるシーンがあります。
「フライド・グリーン・トマト」という映画も「恋しくて」も
まだ観ていないのですが、機会があったら是非!観たいですね。

誕生おめでとう、カキコありがとう。(^^)
おめでとう!という言葉は何度聞いても嬉しいですね。
多分、いくつになっても嬉しいと私は喜ぶと思いますよ。
by まなてぃ (2006-06-25 22:21) 

こんばんは。帽子を落として蹴飛ばしたり、無声映画のようなジョニデの動きがいいですよね。当時、この映画のProclaimersが歌う挿入歌がヒットしていて、好きだったのを覚えています。『恋しくて』はメアリーがドラマー役でなかなかいい青春映画ですよ。誕生日だったんですね。おめでとうございます。
by (2006-06-27 23:35) 

まなてぃ

こんにちは、KaotyasuさんNice&コメントありがとうございます。
「恋しくて」をまだ、観ていないのですよ。ネットで検索したところ、
みなの評価はわりと高く、メアリーがうまい!良い!と書かれて
いましたね。レンタル屋さんにあるのかなぁ。

>誕生日だったんですね
そうなんです。1つ歳をとってしまいました。もうすっかり新しい年齢にも
馴染みましたねぇ。(^○^)ハハハハ
by まなてぃ (2006-06-28 09:02) 

じゅんじゅん

ジョニーディップはおいしい役だけど厭味なくてかわいい
でも美しいアイダン・クインに眼は釘付けだわ
あ~んな作業服やくたびれたチェックのシャツなんかであんなに素敵
こんなお兄さんがいたら 妹はああなっちゃうかもな 二人きりだし
ああならなきゃ近親相姦しかないよw だからしばらく離れて暮らせっていう医者の意見に素直にうなずいちゃう
 アイダンクインは声もいいのよ 妹の恋人の頃は体つきもまだ青年で
「兄」にはぴったりよね 
by じゅんじゅん (2008-01-23 18:07) 

まなてぃ

>じゅんじゅんさん、はじめまして。
お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。

アイダン・クインをはじめて知ったのが
この映画でしたが、本当に妹思いの良い兄貴!という感じで、
ジョニー・デップに食われ気味の、ちょっと損な役では
あったけれども、アメリカを感じさせてくれる俳優さんだなぁ・・
と思った印象がありましたね。
彼がいるから、この映画の物語がなりたつ。
この映画、何度かみてみると、ジョニー・デップはあまり
セリフも多くなく表情でみせている部分が多くて、
アイダン・クインのほうがセリフも多く、起伏も激しい役どころだけに
演じる大変さがあったと思います。

コメント本当にありがとう。
また遊びにきてくださいね。
by まなてぃ (2008-02-04 21:46) 

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